2020.06.23 08:00

【男女共同参画】高知の男性は家事負担を

 日本社会には「家事と育児は女性が担うもの」という、性別による役割分担の意識が根強くある。
 高知の女性たちも悩んでいる。理想は家事・育児を「男女共同」で行いたい。だが、現実は「主に女性」が担っている。
 県が5年に1度行う「男女共同参画社会に関する県民意識調査」で、そんな姿が浮き彫りになった。
 背景には、男性が家に早く帰りたくても帰れない長時間労働の問題など、さまざまな要因があるだろう。
 ただ、女性たちはアンバランスな負担に苦しんでいる。家庭内でよく話し合い、男性も家事・育児をもっと多く担うべきだ。
 県民意識調査では、家庭生活での役割分担について、県内の結婚経験者665人に6択で聞いた。
 男女とも、最も多くの人が理想としたのは「共同で家計を支え、共同で家事・育児を分担する」(男性35・3%、女性53%)だった。
 だが、実際は「共同で家計を支え、主に女性が家事・育児を分担する」(男性34・8%、女性45・1%)が一番多かった。
 それに「男性が家計を支え、女性が家事・育児に専念する」(男性25・5%、女性27%)が続く。
 家事・育児は「主に女性」の傾向は、5年前、10年前の同調査と比べて強まっている。高知県の担当課も「意外」と戸惑っており、原因はよく分からない。ただ、全国調査を見ても同じような状況だ。
 6歳未満の子どもを持つ夫婦を対象に、総務省が2016年に調べたところ、妻の家事・育児関連時間は1日当たり7時間半を超えた一方、夫は1時間20分余りにとどまった。
 「家事」を行っていない夫は、共働き世帯で約8割、妻が専業主婦世帯で約9割に上った。「育児」は、妻の就業にかかわらず約7割の夫が行っていないことが分かった。
 このように女性1人で担う「ワンオペ育児」の問題は深刻である。過酷さに追い詰められ、心身のバランスを崩す女性も少なくない。
 高知県の場合、小学校入学前の子どもを育てる母親の有業率が高い。2017年は80・5%に上り、全国3位になっている。仕事に追われ、家に帰っても休む間はないだろう。
 県民意識調査では、理想的な役割分担を実現するため、最も多くの人が「夫婦や家族間で、コミュニケーションを増やすこと」(男性60%、女性55・7%)を挙げている。
 「女性の負担を今より減らす」ことを前提にして、家庭内で話し合いたい。家事・育児という営みは大変だが、人生に多くの喜びをもたらす。男性も積極的に引き受ければ、満足感や幸せを感じられるはずだ。
 家庭生活での役割分担がこうもアンバランスなままでは、どんなに「女性活躍」の旗が振られても、尻込みしたり諦めたりする女性が多いだろう。
 女性の管理職登用や政治参画が進まない理由として、この問題をしっかり認識しなければならない。

カテゴリー: 社説

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