2020.06.23 08:44

海水浴場にコロナの波 高知県内6カ所「断念」「保留」

 高知県内8海水浴場のうち6カ所が、新型コロナウイルス感染拡大を懸念し今夏の開設を断念または判断を保留していることが、22日までに分かった。海開きする2カ所もイベントの中止を決めるなどしており、“コロナの波”は各ビーチに打ち寄せている。

 8カ所は県や高知市の保健所に開設を届け出ている主要海水浴場。十分な感染防止対策が取れないなどとして開設をやめたのは、高知市種崎の種崎海水浴場と宿毛市沖の島町のうどの浜。未定は香南市夜須町のヤ・シィパークと幡多郡黒潮町の浮津、入野両海水浴場。高岡郡四万十町の興津海水浴場は7月の海開きを見送ったが、8月以降は状況を見て再度判断する。

 一方、安芸郡東洋町の白浜海水浴場など2カ所は、県内で感染者ゼロが続く状況などを踏まえ開設を決めた。ただ、各管理者は砂浜や海の家での「密」回避など、例年にない対策に頭を悩ませている。

海開きを前に家族連れらが水遊びを楽しむ白浜海水浴場(東洋町白浜)
海開きを前に家族連れらが水遊びを楽しむ白浜海水浴場(東洋町白浜)
海水浴場「密」回避に苦慮 監視不在の遊泳懸念も
 新型コロナウイルスへの対応を巡って、県内海水浴場の関係者が苦慮している。開設すれば地域のにぎわいが期待できる一方、遊泳客の安全をどう確保するか。開設しなくても、監視員のいない海で泳ぐ人が出ないか懸念は残る。

 安芸郡東洋町の白浜海水浴場は昨夏、県内外から約4500人が来場。東洋町観光振興協会が新設した海上遊具も人気を集めた。協会職員は「大型連休の自粛で事業者は打撃を受けた。海上遊具で少しでも上向きにできれば」と、8月1日からの営業準備を進める。

 近くにはサーフィンの名所、生見海岸もある。東洋町担当者は「開けなくても結局、客は来る。それなら開設して監視員を置く方が安全」とするが、対策は例年通りでは済まない。砂浜でのイベントは中止。海の家は出店を認めるが、感染予防の徹底を求める方針だ。

■ガイドライン作成
 土佐清水市三崎の桜浜海水浴場は、7月5日に海開きイベントを開催する。竜串観光振興会の担当者は「18日にオープンする新足摺海洋館の宣伝もしたい」と話す一方で、「遊泳客にマスクを絶対にしてとは言えないし…」。イベントでは「密」を避けるため恒例の綱引きやスイカ割りを中止し、ビーチフラッグは旗を消毒しながら実施するという。

 例年1万8千人ほどが訪れる香南市夜須町のヤ・シィパークは開設を目指すものの、決定には至っていない。コインロッカーやシャワーの消毒などは必須。運営会社「ヤ・シィ」の担当者は「オープンに向けてどのような感染症対策が取れるのか検討中」としている。

 浮津、入野の海水浴場がある幡多郡黒潮町は、7月20日以降の海開きを目指して感染防止のガイドラインを作成中だ。遊泳客の距離を保つ方策のほか、非常時に人工呼吸を行う監視員の安全も念頭に置くという。それでも黒潮町担当者は「更衣室など、どうしても密が避けられないとなれば、開設しない選択もある」と慎重だ。

興津海水浴場の閉鎖を伝える県道沿いの看板(四万十町興津)
興津海水浴場の閉鎖を伝える県道沿いの看板(四万十町興津)
 高岡郡四万十町の興津海水浴場は、四万十町や観光協会が7月中は開設しないと決め、浜の駐車場や入り口となるキャンプ場を閉鎖。高齢者が多く、県外客の受け入れに慎重な興津地区住民の意向にも配慮したという。8月の開設は今後、地区を交えて協議する予定だ。

■「手が回らない」
 一方、早々に開設を諦めた運営者も。高知市の種崎海水浴場は、地元住民らが例年、2人一組の態勢で監視を行っている。関係者は「シャワーの取っ手の消毒をどうするかなど考えると…。もともと手いっぱいなのに、コロナ対策まで手が回らない」と話す。

 毎年6月の第1日曜日に海開きし、四国で一番早いとされる宿毛市沖の島町のうどの浜海水浴場も今年は断念。運営する海の家の経営者は、春に宿毛市内で感染者が相次いだことも踏まえ、「離島で感染が一気に広がる可能性もある」と警戒した。

 一方、往来自粛の緩和で、県外を含めたレジャー客数は回復が予想される。閉鎖する海水浴場は現地看板や自治体のホームページなどで周知を図るが、「完全封鎖は不可能」「看板を無視して泳ぐ人を制止はできない」の声も上がる。

 海水浴場の開設中止は全国的に広がっており、海上保安庁は重大事故につながる危険があるとして、監視員がいない浜で泳がないよう注意喚起している。(高知新聞取材班)

カテゴリー: 主要社会

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