2020.06.20 08:36

開幕待ちわびた! 26歳の新人投手 高知ファイティングドッグスの平間

開幕に向け調整を続ける高知FD平間凜太郎投手。「優勝して胴上げ投手になる」と誓う(越知町民総合運動公園)
開幕に向け調整を続ける高知FD平間凜太郎投手。「優勝して胴上げ投手になる」と誓う(越知町民総合運動公園)
「磨いた真っすぐで圧倒」
 チームの活動休止が決まった瞬間、頭の中が真っ白になった。宿舎のベッドに倒れ込み、2日ほど動けなかった。26歳。球界への最後の挑戦の場として、会社を辞めて高知ファイティングドッグス(FD)に飛び込んだ。それなのに―。選択を後悔した時もあった。それでも「シーズンがなくなった訳じゃない」と切り替えた。平間凜太郎投手。3カ月遅れで20日に始まるリーグに向け、オールドルーキーは「開幕を待ちわびた。圧倒する球で勝ちに貢献したい」と意気込んでいる。 
 
 東京都出身。野球好きの両親の影響で5歳の時に野球を始めた。「世田谷リトルシニア」時代にはシニアリーグの日本代表にも選ばれた。勧誘を受けて高校は強豪の山梨学院大付に進学。2年の夏はベンチメンバーとして甲子園の土も踏んだ。専大を経て日本製鉄のグループ会社に就職。社会人野球の「日本製鉄東海REX」では1年目から主戦として登板し、都市対抗大会にも出場した。
 
 しかし昨年、後輩に主戦の座を奪われた。状態は良かったのに起用されない日が続いた。ようやく巡ってきた登板機会も敗戦処理。このまま野球人生を終わるのか―。そんな思いが頭をよぎっていた時、前年に目標シートへ「(大リーグ)エンゼルスでプレーしたい」と書いたことを思い出した。エンゼルスは親に最初に買ってもらった帽子のチームで、ずっと好きだった。
 
 夢を思い出した。ここにいてもプロにアピールできない。覚悟を決めた。「これからの生活はどうするのか」。父親に猛反対されたが、気持ちは揺るがなかった。昨年末に正社員の身分を捨ててFDの門をたたいた。
 
 2月には西武2軍との練習試合で2イニングを無失点に抑えた。3月の開幕が楽しみだった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が延びた。事態はさらに深刻化し、チームは4月10日から活動休止となった。
 
 直後は落ち込んだが、「野球ができないのは自分だけじゃない。やれることをやろう」と切り替えた。ショウガの植え付けやミョウガのパック詰めなどのアルバイトに積極的に行き、体を動かした。農家の人たちから「応援しゆうで」と声を掛けられ、モチベーションが上がった。バイトがない日は部屋にこもり、エンゼルスで活躍する同学年の大谷翔平投手らの映像を見て研究した。フォームも少し修正した。
 
 1カ月後に自主練、その後に全体練習が再開し、14日にあった香川OGとの練習試合。自己最速の151キロをマークした。休止期間は決して無駄じゃなかった、高知に来てよかった、と感じている。
 
 チームでは抑えを任される予定だ。「磨いてきた真っすぐで打者を圧倒する投球をしたい。残された時間は少ない。今年やるべきことは、勝利に貢献して優勝し、NPB(日本野球機構)に行くことです」。トレードマークのめがねを外し、力強いまなざしで言った。(村上和陽)

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カテゴリー: スポーツFDスポーツ

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