2020.06.17 08:37

虚ろな税 奈半利事件の実相(9)偽装 われらで判断せないかん

 「ふるさと納税」で全国有数の寄付金を得ていた高知県奈半利(なはり)町の職員と親族、返礼品業者が贈収賄容疑で次々と逮捕された。海辺の町でいったい何が起きていたのか。この制度はなぜ生まれ、できた制度は何を生んでいるのか。高知新聞の報道部と地元支局が事件の実相を追う連載「虚(うつ)ろな税(ちから)」は、高知新聞Plusで全文読むことができます。

柏木雄太が返礼品業者に渡した手書きメモ。代金の半額を手数料に付け替えるよう指示している
柏木雄太が返礼品業者に渡した手書きメモ。代金の半額を手数料に付け替えるよう指示している
 2018年9月。奈半利町長が斉藤一孝から前教育長の竹﨑和伸(62)に代わり、初めての町議会定例会が開かれた。その一般質問で、ふるさと納税の対応を問われた地域振興課長補佐の柏木雄太はこう答弁している。

 「当町は、8月から3割に関する見直しを行っております」

 当時、返礼品競争の過熱を受けて、総務省がルールの厳格化を進めていた。その一つが、寄付額に対する返礼品調達費の割合(返礼率)を3割以内にすること。高い返礼率が売りだった奈半利町は、難しい対応を迫られた。

 しかし、柏木が答弁した「見直し」は、ルールに合わせた是正策ではなかった。町はその時点で既に、国をだます方向にかじを切っていた。

 □■ 
 前年の2017年7月。県庁に斉藤の姿があった。総務省から出向中の高知県総務部長、梶元伸に会うためだ。...

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