2020.06.13 08:40

虚ろな税 奈半利事件の実相(6)設計 自治体の良識に期待

 「ふるさと納税」で全国有数の寄付金を得ていた高知県奈半利(なはり)町の職員と親族、返礼品業者が贈収賄容疑で次々と逮捕された。海辺の町でいったい何が起きていたのか。この制度はなぜ生まれ、できた制度は何を生んでいるのか。高知新聞の報道部と地元支局が事件の実相を追う連載「虚(うつ)ろな税(ちから)」は、高知新聞Plusで全文読むことができます。

参院選の応援で高知入りした当時総務相の菅義偉。ふるさと納税導入に強い意欲を示していた(2007年7月、高知市内) 
参院選の応援で高知入りした当時総務相の菅義偉。ふるさと納税導入に強い意欲を示していた(2007年7月、高知市内) 
 今は返礼品が当たり前のふるさと納税。しかし、制度の設計段階では「お礼」など論外で、制度の「乱用」とまで言われていた。
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 「地方では幼児から高校生まで人材を育てるために税金を投じ、大都市は地方出身者で働き盛りの人から税収を得ている」。2006年10月、福井県知事の西川一誠が経済紙でそう訴え、提唱したのがふるさと納税の原型とされる。

 当時は第1次安倍政権。いわゆる「三位一体改革」で疲弊した地方の怒りが強まり、国会で民主党が存在感を増していた。2007年7月には参院選を控え、政権は何らかの地方対策を打ち出す必要があった。

 当時の総務相、菅義偉が動いた。2007年6月、西川や大学教授ら委員10人で研究会を設置。都市に集中する税収を地方に移転する方法について議論を進めた。...

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