2020.05.19 08:00

【コロナと子ども】ネットやゲーム依存防げ

 高知県では緊急事態宣言が解除され、長期休校していた小中高校の再開が本格化している。
 新型コロナウイルスの感染拡大によって、子どもたちは外出自粛を強いられ、自宅で長時間を過ごしてきた。その間にインターネットやゲームへの依存傾向を強めていることが心配されている。
 ネット動画の視聴がやめられない、昼夜を問わずゲームに没頭しているといったケースだ。
 専門家は「生活リズムが狂い、学校再開時に通常の生活に戻れない子どもが増える可能性がある」と警鐘を鳴らしている。
 以前から若い世代のネットやゲームへの依存は深刻な状況になっている。厚生労働省が2018年度に公表した推計では、病的なネット依存が疑われる中高生は93万人に上る。
 心身に問題が起きてもゲームがやめられない「ゲーム障害」は昨年、WHO(世界保健機関)から新たな依存症に認定された。
 全国調査では、10~29歳の約3割が平日に1日当たり2時間以上もオンラインゲームなどをしているとの報告もある。
 家でスマートフォンを操作し続けるわが子に、堪忍袋の緒が切れて親子げんかになった。県内でも「コロナ休校」以降、子育て世代の親からそうした話がよく聞かれた。
 休校は、入学や進級の出ばなをくじくタイミングだった。授業が受けられず、友だちとも会えず、部活動もできない。受験などを控えていれば、なおさら不安や焦りは増す。
 社会は閉塞(へいそく)感に満ち、先行きが見えていない。子どもたちも大きなストレスを感じていただろう。
 それを発散する手段として、ネット動画の視聴やゲームを始めたところ、生活リズムを崩すほどに長時間続けるようになった。
 依存症の専門治療を行っている医師によれば、そうした場合の多くは、子ども自身も時間を減らさなければならないと感じているという。
 しかし頭ごなしに行為を否定されれば、反発してしまう心理がある。保護者は子どもを孤立させないように、まずは心配していることをしっかり伝える。
 その上で話し合い、ネットやゲームをする時間を決め、家庭内でのルールを作るとよい。生活リズムを整えさせ、目標を見失っている場合は一緒に考える。
 保護者がいつでも相談に乗る姿勢を見せることが、結局は子どものネットやゲームへの依存を予防する鍵になるようだ。
 もともと、夏休み明けなど長い休校からの再開時は、子どもの気持ちが不安定になりやすく、特にフォローが必要な時期と言われてきた。
 ましてや緊急事態であった。さまざまな問題が起きている可能性がある。学校は子どもの変化をつかみ、スクールカウンセラーらの相談体制も万全にせねばならない。
 今こそ、保護者や学校との「つながり」をしっかり感じさせたい。

カテゴリー: 社説

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