2020.05.01 08:38

コロナ下の災害で避難所は? 高知県内自治体が「3密」に危機感

’98高知豪雨での避難所の光景。コロナ下で同様の災害が起きたらどうなるか (1998年9月、高知市の潮江南小学校体育館)
’98高知豪雨での避難所の光景。コロナ下で同様の災害が起きたらどうなるか (1998年9月、高知市の潮江南小学校体育館)
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響が続く今、災害が起きたらどうなるか―。高知県内の自治体がコロナ下の避難所のあり方に危機感を強めている。避難所は「3密」(密接・密集・密閉)になりやすく、感染を恐れて避難しない住民が増える恐れがあるからだ。各自治体は避難者の分散や、マスクや消毒液の備蓄を増やすなど対応を検討中で、「感染予防」「被災者の安全」の両立という難しい対応を迫られている。

 高知県が策定している避難所運営の手引では、感染症対策として、手指の消毒▽手洗い場の設置▽タオルの共用禁止―などを列挙。過去の災害でインフルエンザやノロウイルスが発生したことを受けた内容になっている。

 内閣府は今回の新型コロナの影響を踏まえて4月、避難所を可能な限り多く設置する▽親戚や友人宅への避難▽避難者の健康状態の確認▽発熱やせきの症状が出た人専用のスペース確保―などを求めた。

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 高知市は新型コロナを踏まえ、豪雨災害の対応マニュアルを4月30日までにまとめた。避難所ではまず受付で検温を行い、37・5度以上の発熱がある人は一般の避難スペースとは別の個室に誘導する。

 また、感染者の濃厚接触者や健康観察中の市民は、市有施設など別の避難先に案内して対応する方針だ。

 一般の避難所は、これまで1人当たり2平方メートルを想定していた居住スペースを4平方メートルに拡大し、人と人との間隔を空ける。避難所の過密を避け、状況によっては学校の教室を活用したり、親戚宅などへの避難を促したりするとした。

 南国市も、避難所の衛生管理のため、除菌効果のある次亜塩素酸水の生成装置を新たに購入。水害時に開設する避難所を増やし、避難者を分散させることを検討している。

 備蓄していたマスクは、今回の新型コロナで約1万5千枚を高齢者施設などに提供。残る約6万枚は、災害時の避難者用に確保しておくという。

 防災担当者は「住民に『逃げろ』と言いつつ、避難所が『3密』にならない対応も必要になる」。発熱など症状がある避難者の対応について、「体育館の避難スペースに個室を構えるのは難しい。別の施設への避難も考える」と話した。

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 新型コロナの感染が収まらない今、もし、南海トラフ地震が発生すれば、水害よりはるかに多い避難者が想定される。このため、「明確な解決策は見いだせていない」と頭を悩ませる自治体は多い。

 室戸市は飛沫(ひまつ)感染予防のため、避難所で使う段ボール製の間仕切りを追加購入した。

 ただ、2016年時点の想定では、最大クラスの地震発生から1週間後の避難者は約4700人。室戸市内の全避難所の収容可能人数より約500人多い。この上さらに「3密」の回避策を整えるのは容易でない。

 市は現在、学校の教室は避難スペースには使わない予定だが、室戸市防災対策課は「今の感染状況を見ると、教室使用も検討しないといけない。この状況で巨大地震が起きることは考えたくないが、想定しておく必要がある」と話した。(海路佳孝)

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カテゴリー: 社会新型コロナウイルス社会

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