2020.04.25 08:00

【コロナ禍と連休】終息向け家にとどまろう

 大型連休の季節は例年なら国内外への旅行やレジャー、帰省した家族や友人との再会に心も弾む。しかし、今年は特別な心構えで過ごさなければなるまい。
 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、政府は今月16日に特措法に基づく緊急事態宣言を全都道府県に拡大した。当面、大型連休最終日の5月6日を期限としている。
 安倍晋三首相は、接触機会の8割低減を繰り返し強調。感染拡大の歯止めや医療崩壊の回避に向けて、各都道府県知事は法的根拠のある外出自粛要請や、歓楽街の事業者らに対する休業要請を行っている。
 しかし、感染拡大に終息の見通しは依然立っていない。
 国内の感染者は400人を超える日も多く、クルーズ船乗船者を含め1万3千人を超えた。先行して宣言の対象になった7都府県では感染者数の伸びに鈍化傾向が見られるものの、気を緩めていい状況にはない。
 専門家はPCR検査で感染が確認された陽性者の数だけではなく、検査件数に対する「陽性率」の推移にも注目している。
 厚生労働省のまとめによると、21日までの累積で全国平均は10%だった。一方、東京都は「感染が疑わしい人、治療に結び付けるべき人を集中的に検査している」ため、63%に上った週もある。
 日本は検査数が少ないことから、陽性率が高くても実際の陽性者の数を反映しているとは言えない。このため、オーバーシュート(爆発的患者急増)が起きていても気づかない恐れがあるという。
 京大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授も、「必要な検査が行われないと医療従事者の感染リスクが高まる」とし、検査態勢の強化を求めている。
 新型ウイルスは無症状や、症状が明確でない場合もある。私たちも自らが感染しているかもしれないと考え、密閉、密集、密接の「3密」を避ける行動が重要になる。
 宣言が全国に拡大されて初の日曜日だった19日、全都道府県の主要駅や繁華街などの人出は感染拡大前と比べて14~86%減った。
 ところが、大都市圏では商店街やパチンコ店に行列ができ、神奈川県の海岸では交通渋滞が発生している。公権力による過剰な私権制限に至らないよう、市民の側も「自分だけはいい」とは考えず、抑制した行動が必要ではないか。
 高知県の感染者は70人を超える。人口比では依然、47都道府県でも上位の多さになろう。
 浜田省司知事は連休中の旅行や帰省を自粛するよう要請。24日からは飲食店などに休業や営業時間短縮を要請した。かき入れ時の事業主には厳しい状況が続く。国と連携した迅速で継続的な支援を求める。
 首相は緊急事態宣言を延長するかどうか、5月初めにも判断するという。一日も早く異常な事態を終わらせ、日常生活を取り戻すための行動を一人一人が心がけたい。

カテゴリー: 社説

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