2020.04.24 08:00

【コロナと教育】「学ぶ機会」が減らぬよう

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、全国の小中高校の休校が続いている。
 全都道府県に発令された緊急事態宣言の期限は来月6日だが、終息が見通せない中、学校がいつ再開されるかも不透明だ。
 県内の学校では休校に入る前に課題などを児童生徒に渡したり、家庭訪問した教員が学習プリントを子どもに配布したりしている。全国の学校でも同じような状況だろう。
 感染拡大を防ぐため、対面式の授業が行えない以上やむを得ないとはいえ、懸念されるのが児童生徒の学習面の遅れだ。
 学校は文部科学省の標準授業時間数を基に、年間の指導計画を立てている。2019年度末の休校期間と合わせて足らなくなった授業の調整をどうしたらいいか。多くの教員が悩んでいるはずだ。
 文科省は2月、「授業時間数を満たさなくても問題ない」といった趣旨の通知を出している。だが、「学ぶ機会」を制限されたともいえる子どもの立場に立てば、そうした通知で解決する問題ではない。
 それぞれの子どもの「学ぶ機会」が減らないよう文科省や自治体、教育現場はあらゆる知恵を絞る必要がある。
 中でも注目されるのが、自宅などで学習できるオンラインによる遠隔授業だ。
 文科省の調べによると、今回のコロナの問題によって国立大の65%、公立の大学と短大28%、私立の大学と短大の35%が何らかの形での遠隔授業を予定している。
 小中高校は大学などより導入が遅れている。機器の準備や家庭のインターネット環境整備といった課題があるものの、この機会に活用をもっと進めたい。
 コロナ禍の前から文科省は、小中学生が1人1台のパソコンを学校で使える方針を打ち出していた。しかし、都道府県によって導入にばらつきがあり、昨年3月時点で5人に1台程度しか入っていない。
 文科省は導入を急ぐ考えだが、休校中に自宅で利用するにはタブレット端末の方が使いやすいかもしれない。導入の際は、自治体や学校の要望に合わせた柔軟な対応を国に求めたい。
 遠隔教育は機器だけがそろっても意味がない。
 18年の総務省の調べでは、年収400万円未満の世帯で3割、200万円未満で5割がネット環境が整っていなかった。そうした家庭へのきめ細かな支援がないと、教育格差が生じてしまう。
 県内では高知市の高知国際中学校などがタブレット端末を使った授業を進めている。四万十町の町営塾も数学、英語の授業に加え受験指導などをオンラインで行うという。
 機器の習熟度は教員によって違い、教材や教え方も通常の授業にはない工夫が必要だろう。先行している学校の取り組みを参考に県内の小中高校でも準備を急ぎたい。

カテゴリー: 社説

ページトップへ