2020.04.23 08:46

よさこい「中止やむなし」大勢 振興会提案を高知市長も支持

207チーム1万8千人が参加した2019年のよさこい祭り。今年は中止の可能性が濃厚だ(高知市内)
207チーム1万8千人が参加した2019年のよさこい祭り。今年は中止の可能性が濃厚だ(高知市内)
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、中止が提案されている第67回よさこい祭り(8月9~12日)。主催団体の「よさこい祭振興会」による最終決定は27日だが、行政トップから「(開催は)厳しい」との発言が相次ぎ、チームなど関係者らの声も「中止やむなし」が大勢を占める。高知の夏を象徴する祭りは、1954年に始まって以来初の中止となる可能性が濃厚となっている。

 「中止案に賛成します」

 22日、定例記者会見に臨んだ岡﨑誠也高知市長。祭り開催へのスタンスを問われ、こう立場を明らかにした。

 よさこい祭振興会は、祭りを中止とする議案を役員58人に書面で諮問しており、その回答に基づいて27日に決定する。役員の1人でもある岡﨑市長は、祭りには全国から多数のチームが訪れることや、競演場の運営に高齢者が多いことなどに言及。「感染拡大の可能性がある。非常に残念なところはあるが、中止もやむを得ない」と厳しい表情を見せた。

 同じく“1票”を持つ浜田省司知事もこの日の記者会見で見解を問われ、「できるなら開催したい気持ちはあるが、参加者の安全、準備、経済的な面も含めかなり苦しい状況だ」と説明。「まだ立場を決めてはいない」としながらも、「やむを得ないという判断をする可能性はある」と「中止受け入れ」を示唆した。

 祭りに関わる各方面の関係者からも、聞こえてくる声のほとんどは「やむなし」「仕方ない」だ。

 会場運営を担う商店街の役員は「人の命に関わることなので」とあきらめ顔。競演場連合会の丁野信二会長(60)は、コロナ禍で商店街の各店の売り上げも減っているとして「よさこいどころではないという雰囲気が日に日に高まっている」と明かす。

 毎年、祭りを心待ちにするチーム側からも「是が非でも」との声はほとんど聞かれず、「今年は開催できたとしても踊り子が集まらない」「感染が発生しても責任が取れない」…。

 1回も休まず66回の祭りに出場している「帯屋町筋」は、例年なら既に始めている踊り子募集を遅らせ、開催か中止かの結論を待っている。中心メンバーの楠瀬昭一さん(45)は「出たいのはやまやまだが、踊り子、その家族、同僚、と多くの影響が及ぶ可能性を考えると今年は厳しい」と肩を落とす。

 「開催してクラスターが発生して批判を浴びれば、よさこいの将来にも関わる」とは、高知市のクラブチームスタッフの40代男性。「よさこいの未来を思うなら開催するべきではない」と、強い調子で訴える。

 中止を覚悟し、心の整理に努める踊り子も。30年以上、参加し続けてきた高知市の女性(40)は「よさこいがない夏なんて考えたこともない。去年の祭りが終わった瞬間から今年を楽しみに生きてきた。本当に残念です」と唇をかんだ。(竹内悠理菜)

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