2020.04.22 08:00

【コロナと地方】医療崩壊は絶対防がねば

 全国で新型コロナウイルスの感染者が増え続けている。
 そこで懸念されるのが、医療機関が対応できる以上に患者が増える感染爆発による医療崩壊だ。イタリアなどは、そうした状態に陥り死者数が増えた。
 医療が崩壊すると、医師などの処置が患者に行き届かなくなるだけではない。新型コロナ以外の患者の治療にも大きな支障が出る。患者数が多い東京など日本の都市部も医療崩壊に近づいていると警告する専門家がいる。
 都市部の状況とともに懸念されるのが、高知県など地方の自治体の医療崩壊だ。
 医療機関や医師、看護師の数などが都市部に比べて地方は限られている。重症化しやすいとされる高齢者の割合が高い地域も多い。
 患者の受け入れ体制が整っていない中、感染爆発が起きれば地域医療は維持できなくなる。
 全都道府県に緊急事態宣言が発令され、外出自粛を実践している国民が増えている。しかし、都市部に比べて地方の外出自粛の割合は低い傾向にある。今月末からのゴールデンウイーク中は国内を移動する人が増える懸念もある。
 高知県は人口に占める感染者の割合が地方の中でも高い。お年寄りだけでなく、多くの県民が不安なはずだ。医療崩壊は何としても防がねばならない。
 新型コロナに対応できる都道府県別の空き病床数を今月17日、共同通信が調べている。東京都や大阪府といった都市部に加え、石川や滋賀、香川県などで「空き」割合が20%を切るなど逼迫(ひっぱく)している。
 高知県も深刻だ。県内には、高知医療センター16床と幡多けんみん病院に7床、六つの協力医療機関の19床を合わせて計42床があるが、空き病床数は少なくなっている。
 病床数に入らないものの、同センターに隣接する宿泊施設(16部屋)で軽症者と無症状者を受け入れている。人口規模が違うとはいえ、東京都はホテルを1棟丸ごと借り上げて軽症者らの受け入れを進めている。
 患者数が増えた場合、重症者に対する治療を優先して医療崩壊を防ぐ必要があり、そうした施設の活用は重要だ。
 病床数を含めて、高知県の今の状態で医療崩壊を招く恐れはないのか。「その時」に備えて、どんな想定をしているのか。浜田省司知事は県民に分かりやすく伝えてほしい。
 全国には地域医療を守るため、医療機関の財政支援に乗り出した自治体がある。青森県は人工呼吸器購入の際の費用を補助している。高知県もウイルスが外に漏れない陰圧装置の購入費などをサポートしている。
 患者の対応に日々追われる医療機関が一番何を望んでいるかは、地域によっても異なるはずだ。都道府県と国が連携して、マスクや防護服の不足解消はむろん、施設の要望に素早く対応してほしい。医療崩壊を招いては取り返しがつかない。

カテゴリー: 社説

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