2020.04.15 08:00

【休業補償】自治体間の格差はなくせ

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、安倍晋三首相が特別措置法に基づく緊急事態宣言を出して1週間が過ぎた。
 この間、対象地域となった東京都や神奈川県、千葉県、大阪府、福岡県など7都府県の知事は休業を求める施設・店舗を決めて順次要請している。
 そのうち東京都の小池百合子知事が要請したのはカラオケ店、ネットカフェなど遊興施設▽大学・学習塾など▽体育館、パチンコ店など運動・遊技施設▽劇場・映画館など▽博物館、図書館など集会・展示施設▽生活必需品の物資・サービス提供を除く商業施設―の6業種・施設だ。
 そこで問題になるのが、行政による休業補償のあり方だ。
 東京都は要請に協力する中小事業者には、50万~100万円を支給する「感染拡大防止協力金」を創設する考えだ。金額は違うが神奈川県も協力金を設けるという。
 しかし、感染拡大防止のために同じように休業要請された施設・店舗が、自治体の違いで補償の有無や格差が出れば不公平感を生むだろう。
 生活のために仕方なく営業を続けるようなことになれば、感染の抑止効果は薄れてしまう。
 緊急経済対策に国は、新型コロナで売り上げが減った中小企業や個人事業主への給付金や雇用調整助成金の拡充などを盛り込んでいる。国が補償するこうした対策で対応できるという政府関係者もいる。
 とはいえ、法的裏付けがある休業要請をしながら、損失は自己責任というのは事業主には酷だ。共同通信の世論調査でも、要請に応じた企業などの損失は「国が補償すべきだ」と8割が答えている。行政による損失補償は当然だろう。
 国が補償する制度と、東京都や神奈川県の協力金といった二つの仕組みができるのは複雑で分かりにくい。困っている人をもれなく速やかに救済するために、制度を一本化する必要がある。
 7都府県の知事の中からは、緊急経済対策で国が自治体向けに創設する1兆円の臨時交付金を「協力金」などに活用したいといった要望が出ている。
 西村康稔経済再生担当相も選択肢として検討する考えを示している。地方にとって使い勝手がよい交付金として自由度を上げるべきだ。
 全国の市町村の中には、独自の給付や損失補償を計画している自治体もある。大阪府大東市は、休校で給食がなくなり、食費が増えている子育て世帯への現金支給を検討しているという。地方が独自に考えた支援策を国はもっと積極的にサポートしてほしい。
 緊急経済対策について同じ世論調査では7割以上が、「期待できない」(「どちらかといえば」も含む)とした。政府が「戦後最大の経済危機」とする状況をどう乗り越えていくのか。国民の視点に立った対策は十分なのか。国会でしっかりと検証してほしい。

カテゴリー: 社説

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