2020.04.04 08:43

花のピンチに支援広がる 幡多農業高校の680鉢完売

「役割をください」SNSきっかけに
 新型コロナウイルス感染防止のため、幡多農業高校(四万十市古津賀)恒例の花の販売実習が中止になった。生徒らが丹精込めて育て、人々を笑顔にするはずだった花々が枯れてしまうピンチだったが、SNSへのこんな投稿が事態を一変させた。〈私たち(花)に役割をください〉。瞬く間に、支援の花が咲き、販売予定を売り切った。

 同校は、生徒が事業所や病院などを訪問し、花などを販売。3月は、赤やオレンジが鮮やかなインパチェンスと薄い紫やピンクが優しいバーベナを届ける予定だった。しかし、生徒が不特定多数の人と関わる販売実習は禁止に。教員だけで売り歩いたが芳しくなかった。

 「校内の花壇に植えるしかないか」と諦めムードも漂う中、保護者も集まる3月27日の合格者登校日に、教員が1鉢500円で販売することに。「誰かを笑顔にする役割を持って咲いたのに、このまま枯れていくのは悲しい」と、同校の谷渕悠教諭(42)が同日朝、支援を呼び掛ける投稿をした。

 すると、市内外から「ぜひ協力したい」と次々に連絡が入り、100鉢を超える大口注文も。投稿から3日後の30日には、実習で販売予定だった680鉢の“嫁ぎ先”が決まった。谷渕教諭らは「予想外の反応。みなさんの温かさを感じ、感謝でいっぱい」。生徒も「売れて良かった」と胸をなで下ろした。 

花を軽トラックに積み込む建設会社社員(四万十市の幡多農業高校)
花を軽トラックに積み込む建設会社社員(四万十市の幡多農業高校)
 同校OBで地元の建設会社に勤める川村尊章(たかあき)さん(62)は「作物を作って販売する苦労が分かる。後輩を助けたいと思って」。勤務先の社長に相談すると、150鉢の購入を快諾してくれた。31日には市内外の事業所に飾るため、ほかの社員も手伝って軽トラック3台に花を積み込んだ。

 笑顔を呼び、心を和ませる「役割」をもらうことができた花たち。谷渕教諭も「人のつながりが大きい力を持っていて、学校がどれだけ大事にされているか気づくことができた」と、地域の学びやの役割を改めて実感していた。(平野愛弓)

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カテゴリー: 社会新型コロナウイルス主要幡多社会

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