2020.03.29 08:00

小社会 紡がれる絆

 都会で働く青年が父の訃報を聞き、古里の村に戻ってくる。父は村の小学校を40年以上、1人で支えた教師。校舎建て替えの陳情に出掛けた町で急死した。母は伝統通りに葬列を組み、村までひつぎを担いで帰ると言い張る。しかし村の若者は出稼ぎに出ており、担ぎ手はいない。

 1999年の米中合作映画「初恋のきた道」。若かりし父と母の恋物語を縦糸に、子どもたちに注ぐ教師の情熱と愛情、村人が教師に抱く尊敬の思い…豊かな情感が美しい自然の映像とともに、細やかに描きだされる。

 時代や国が変わっても教育の原点は変わらない。そんな考えはもはや幻想なのだろうか。日本では小中学校の教員の過重労働が常態化している。残業時間が月80時間超とされる「過労死ライン」を上回る人も少なくない。

 来春から中学校で使われる教科書の総ページ数は1万1千ページを超え、これまでで一番分厚くなる。とはいえ授業時間数は変わらない。同じ時間数で、より深い内容を教えなければならない。教える側も教わる側も大変である。

 「深い学び」という理想を追い求めるなら、教員の倍増といった思い切った手を打つ必要がある。少子化の時代こそ、子ども一人一人に手厚い教育環境を整えるチャンスではないか。

 映画の終盤。ひつぎを担がせてほしいと、教え子が続々と集まってくる。教育が紡ぐ絆。それもまた何ものにも代えがたいものである。


3月29日のこよみ。
旧暦の3月6日に当たります。かのと ひつじ 二黒 友引。
日の出は5時58分、日の入りは18時24分。
月の出は8時43分、月の入りは22時46分、月齢は4.7です。
潮は中潮で、干潮は高知港標準で2時14分、潮位56センチと、14時42分、潮位22センチです。
満潮は8時08分、潮位156センチと、21時08分、潮位145センチです。

3月30日のこよみ。
旧暦の3月7日に当たります。みずのえ さる 三碧 先負。
日の出は5時56分、日の入りは18時25分。
月の出は9時20分、月の入りは23時44分、月齢は5.7です。
潮は小潮で、干潮は高知港標準で2時43分、潮位69センチと、15時21分、潮位27センチです。
満潮は8時32分、潮位150センチと、21時57分、潮位135センチです。

カテゴリー: 小社会コラム

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