2020.03.28 08:40

電子黒板やタブレット活用...視覚的に学び 高知県内学校にICT授業広がる

電子黒板(左)を使った授業。教員や児童が書いた図や文字が映し出される(須崎市の多ノ郷小)
電子黒板(左)を使った授業。教員や児童が書いた図や文字が映し出される(須崎市の多ノ郷小)
板書時間減 巡回指導増
 電子黒板やタブレット端末などの情報通信技術(ICT)を活用した授業が高知県内の学校で広がっている。画像や動画を使えることが強みで、視覚的に学びを補助する。教員が板書する時間を短縮できるため授業時間を有効に使えるなど、さまざまな学習効果が期待されている。
 
 学校へのICT普及は近年急激に進んでいる。文部科学省は2022年度までに小中高校の全学級に電子黒板を設置し、23年度までには全ての小中学生にタブレットなどの端末を1台ずつ配備する計画を立てている。
 
 こうした動きの背景には人工知能(AI)などの技術革新による社会環境の変化が挙げられる。あふれる情報の中から有益な情報を収集、分析するために必要なデジタル機器を使いこなす力を育成する狙いがある。
 
 須崎市の多ノ郷小5年の算数の授業。教室の前に設置されたのはモニターテレビ型の電子黒板。先生が手元のタブレットにタッチペンで図や文字を書くと、電子黒板に瞬時に映し出される。児童の手元にも2人で1台のタブレットがあり、図などを書くと映る。
 
 正八角形を描いていく児童たち。円周上に等間隔で打った点をつなぐ方法、中心角を45度ずつ分割する方法…。「ふーん、そうやってやるがや」「分かった、分かった」。あちこちからつぶやきが聞かれた。
 
 同市は小中各1校をICT教育の推進校に指定し、全教室への大型モニター設置、児童生徒へのタブレット端末の配備をしている。同校では児童用のタブレット端末は20台で、全校で計画的に活用している。
 
 八角形の授業後、川原稜央(りお)君(11)は「友達のやり方も見れる。授業が楽しくなった」と笑顔を見せた。西村浩司校長(57)は「授業の活動履歴などが保存できるので、前回の授業の板書をパッと映して振り返りに使うこともできる。授業の準備が楽になる」と話す。
 
 通常の黒板に教員がチョークで書く時間は授業によって異なるものの、10~15分ほどが一般的。電子黒板なら図形や資料、写真をすぐに映し出せるため、こうした時間が短縮できる。
 
 19年度の2学期に電子黒板を導入した高知市の城東中では、教員が教室を巡回して個別指導したり、生徒同士で話し合ったりする時間が大幅に増えたという。
 
 大谷俊彦校長(59)は「板書で教員が生徒に背中を向ける時間を減らせるのは大きい。黒板を書き写して『勉強しました』となるのではなく、生徒同士が自分で考え、発信し合う授業に変わってきた」と手応えを感じている。
 
 タブレット端末と連動した電子黒板やモニターなどの学校への整備率(全ての普通教室に占める設置教室の割合)は高知県は39・8%(全国平均は52・2%)。文科省の計画では22年度に100%を目指すことになっており、教室の風景はどんどん変わっていきそうだ。(今川彩香)

カテゴリー: 教育高知中央

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