2020.03.24 08:40

田舎寿司が冷凍保存可能に 官民組織と高知県が技術確立

急速冷凍した田舎寿司(手前)。解凍しても品質は変わらないという(23日午後、高知市内)
急速冷凍した田舎寿司(手前)。解凍しても品質は変わらないという(23日午後、高知市内)
遠隔地に販売へ道
 田舎寿司(ずし)の発信に取り組む官民組織「土佐寿司を盛り上げる会」と高知県は、品質を落とさずに寿司を冷凍保存、解凍する方法を確立した。長期保存できるようになったことで、これまで鮮度の制約で難しかった遠隔地の販路開拓に向けて関係者のトーンが上がっている。

 県内の料理学校やJAなどでつくる土佐寿司を盛り上げる会と高知県は2018年に活動をスタート。提供店舗の拡大や外商に取り組んでいるが、多くの素材の鮮度が1、2日程度と短いことが販路拡大のネックになっており、昨年から冷凍保存技術の研究に取り組んでいた。

 通常の冷凍では、解凍後にシャリの水分が抜けてぱさぱさになったり、ユズの風味が薄まったりする。このため、急速冷凍装置を持つ高知県工業技術センターの協力を仰ぎながら、炊飯方法、酢の配合方法も含めて計30種類近いパターンを試行。品質劣化が防げる冷凍技術にめどを付けた。

 採用したのは、寿司を真空パックしてマイナス35度のアルコールに漬ける方法。鮮魚でも実用化されており、電子レンジで解凍すれば素材の水分の流出などを防げるという。23日には高知市内で土佐寿司を盛り上げる会の集まりがあり、メンバーが試食。「生の田舎寿司と変わらない」「味も食感も上等」など高い評価を得た。

 高知県は、この技術と装置の活用を県内企業に打診中で、現時点で、いずれも田舎寿司を扱っている香美市の「土佐山田ショッピングセンター」と土佐郡土佐町のスーパー「末広」が関心を示しているという。

 「土佐寿司を盛り上げる会」も2020年度に海外で試食会を開く予定。三谷英子代表(72)は「冷凍でも食材の色も鮮やかに残り、食感も良かった。県外や外国にどんどん広がっていけば」と話している。(五十嵐隆浩)

カテゴリー: 主要社会


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