2020.03.22 08:40

新型コロナ ネオン街直撃 歓送迎会キャンセル続く

自粛ムードに苦しむ飲食店。19日はまずまずのお客さんの入りだった(高知市追手筋1丁目の「季節料理かとう」)
自粛ムードに苦しむ飲食店。19日はまずまずのお客さんの入りだった(高知市追手筋1丁目の「季節料理かとう」)
連休前に自粛ムード緩みも
 新型コロナウイルスの感染拡大が、高知市の「夜のおまち」を直撃している。自粛ムードによる歓送迎会のキャンセル、見送りなどで閑古鳥が鳴く店は少なくなく、店主らの悲鳴が上がる。3連休前からは自粛ムードがやや緩み、ぼつぼつと街の人影も増えてきたが…。

 「3月初めですかね。50人ぐらいの宴会が当日キャンセルになりまして。(先方は)『会社の朝の会議で自粛が決まった』と」

 高知市追手筋1丁目の「季節料理かとう」。オーナーの加藤真伍さん(31)が振り返る。材料は仕入れ済みで、大損が出かねない状況に。この時は、会員制交流サイト(SNS)に窮状を投稿し、夜に知り合いら40人ほどが来店。何とか魚などを腐らせずに済んだという。

 しかし、来客減の大きな流れにはあらがえず、キャンセルは3月だけで約300人分、売り上げは「7、8割減」に。ただ「幹事さんらが悪いわけではない。しんどいですが、何とかやりくりしていく」と前を向く。

 別の飲食店も「売り上げは約8割減」と明かす。「歓送迎会シーズンは忘年会に次ぐ書き入れ時。5、6月に事態が収束したとしても、取り戻せるか」

 バーやスナック系も状況は同じだ。同市追手筋1丁目のラウンジ「香の里」では、コロナの影響で売り上げは普段の10分の1になった。「少しでも店の雰囲気を明るくしたい」と、マスクを着用した看護師姿で接客するスタッフも。オーナーの井伏香保里さん(45)は「これならマスクでも違和感がないし、お客さんにも失礼でないかと」。

 繁華街のバーの経営者も「常連客で何とか持っている」。こうした状況を受けて、入居店の4月分の家賃を軽減するテナントビルのオーナーもいる。

 「タクシーは飲み屋さんと一心同体。飲む人がいなければタクシーも動かない」とは、みくにハイヤー(高知市)の社長で、市ハイヤー協同組合の明石健市理事長。

 夜にタクシーを呼ぶ電話が激減しているといい、「運転手の給料は歩合制。急に給料が下がれば、社会保障費などをよう払わんなる」と心配する。組合では経済的な救済ができないとし、「行政は何か対策を考えてほしい」と切実に訴えた。

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 一方、18、19日ごろから「街に少し人が戻ってきた」との声も聞かれ始めた。

 「季節料理かとう」も19日は、空席はあったものの団体客、個人客とも入り、にぎやかな声が響いていた。友人同士で飲んでいた20代4人のグループは「コロナをいつまでも気にしていても暮らせないし、地域経済を回しにきました」。

 別の居酒屋の店長は「普段から外で飲むのに慣れた高知の人は、そろそろ我慢の限界なのでは」とする。

 12~15日に休業した集客スポット、ひろめ市場も20日からの連休は、まずまずのにぎわいだという。

 常連の男性客(64)は「ちょっと客が戻ってきた」と笑顔を見せたが、ある店主は「普段に比べるとまだまだだし、コロナが終息したわけではない。楽観できません」とも。
 街のあちこちで、早期終息への願いが上がっている。(楠瀬健太、深田恵衣)

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