2016.02.19 13:04

小社会 60年足らず前だったら地元のレストランに入っても…

 60年足らず前だったら地元のレストランに入っても客扱いされなかった父親の息子が、いまみなさんの前に立って神聖な宣誓をすることができるということです―7年前の就任演説で、オバマ米大統領が黒人の立場に触れたのはこれだけだった(「オバマ演説集」岩波新書)。

 奴隷制廃止から140年余りを経て誕生した初めての黒人大統領。黒人が強いられた苦難の歴史を振り返れば、もっと強調する場面があってもおかしくない。それを抑えたのは、人種などで分断された国民を統合するという使命を強く意識したからだろう。

 参院憲法審査会での丸山和也議員の発言には驚くほかない。「奴隷」との表現を使い、オバマ氏に対する人種差別と受け取られても仕方のない内容だ。「誤解を与えた」などで済むのかどうか。

 その前段では「日本が米国の51番目の州になると」との例え話をしている。米に従属的だと政府を批判する際に「51番目の州」が使われたことはあるが、自民党議員の口から出ようとは。真意が分からない。

 丸川珠代環境相に続く問題発言に、多くの国民は「またか」とうんざりしているだろう。政府、与党の幹部からは「緊張感の欠如だ」「慎重に発言すべきだ」などの苦言が出ているが、懲りない面々につける薬はないようにも思える。

 きょうは二十四節気の「雨水」。春暖に雪や氷が解け出すころとされるが、国会議事堂は寒々としたまま。
カテゴリー: 小社会コラム


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