2020.03.19 12:00

行列の「ひばり食堂」監修かつ丼、ローソンで発売 店主「大豊町のPRに」

ひばり食堂名物 かつ丼(普通:900円)
ひばり食堂名物 かつ丼(普通:900円)

高知県大豊町にある「ひばり食堂」が監修したかつ丼弁当が、今月から高知県内のローソンで発売されている。「える厨房」があるローソン(県内77店舗)で販売。ミニが500円、普通は880円の2サイズ展開。普通サイズには米300gを使用しており、本家のボリューム感を再現している。

愛され50年 大豊町のひばり食堂

ひばり食堂は「大盛りのかつ丼」で知られる人気店。評判を聞きつけた県内外の客がこの山深い町に続々と足を運び、店の前には毎日のように長い列ができる。

香川から自転車で来たという高校生のグループもいれば、高知市からデートで訪れ「大盛り」を完食したと満足げなカップルも。高松市から来ていた男性は、高知出張の度に訪れるというリピーターだ。

取材当日は平日でも午後2時半ごろまで行列が途切れなかった
取材当日は平日でも午後2時半ごろまで行列が途切れなかった

店主の小笠原主仁(かずひと)さんの父の代から、50年以上続くこの食堂。行列ができるようになったのは、ここ10年ほどのことだという。客の声に応え日曜営業を始めたところ、バイクのツーリング客などから口コミで広まり、平日でも行列の絶えない店になった。

それでも店主は「大盛りで有名?そうかね… 有名やという実感はないがよ。それにあれ、多いかね?」と、不思議そうに記者に尋ねた。「まだまだ」と、現状に満足する様子はない。

客の7割が頼むというかつ丼は、4サイズ展開。500円の「ミニ」で一般的なサイズだろうか。「普通」で米は約1合、カツ約200gに、卵が3~4個分。「大盛り」なら米が約2合で、「特盛り」になると米が6合、重さ約7kgにもなる。

普通(左)とミニ(右)
普通(左)とミニ(右)

「僕はなんでもね、ぎっしり詰まってないと嫌な性格なの。丼やのに、白いごはんが見えるのが嫌ながよ。ほんで丼いっぱいに詰めてたら、大盛りと言われるようになったね。特盛りなんかは、最初は面白半分やねえ。

でも一番は、腹はって帰ってもらいたい。高知市からでも、けっこうかかるでしょ。わざわざ来てもらって、こんなもんかと思ってほしくないやん」

米は自家栽培のものと、町内で仕入れた米を使う。平日で、1日に炊く米は約150合。5升炊きを3回まわして、なんとか間に合うという。

もともと精肉店からスタートした店だけに、肉へのこだわりも強い。「肉にも人と同じように、"顔"があるがよ。脂のさし具合なんかでね。仕入れ先の業者はもう長い付き合い。僕が好きな顔っちゅうのを分かってくれてる。ここのじゃないと、使いたくないの」

ひばり食堂では、かつ丼には珍しく、バラ肉を使う。甘みのあるバラ肉に塩こしょうをピリリと効かせ、甘めのたれで絡めた卵が絶妙な味わいを生み出している。しょうゆは、徳島産の「真鶴(まなづる)」の濃口と薄口をブレンドして使う。徳島出身の妻・定子さんの実家に結婚の挨拶に行ったときに出されたのが、真鶴のしょうゆ。以来ほれ込み、ひばりの味を作っている。

厨房(ちゅうぼう)に立つ主仁さんと妻・定子さん
厨房(ちゅうぼう)に立つ主仁さんと妻・定子さん

山田高校卒業後、一度は大阪で就職したが「あっというまにクビ」になり、20代で帰郷。以来父の店を手伝い、受け継ぎ、この町で生きてきた。「(大阪時代に)仲間と酒飲んで部屋で騒いでたら、出ていけ言われて。2回それで引っ越したね。田舎の人間はやっぱり都会には住めんねえ」

「高知市内に店出さんかという話も、何回かあったねえ。でもよ、大豊でやりゆうき、意味があるがよ」ときっぱり。今回、ローソン高知のかつ丼監修を引き受けたのも、大豊町のPRになればという思いから。

パッケージには、大豊町の観光サイトのQRコードが印刷されていること、大豊の名物「大杉」の写真が大きく映っていることを教えてくれた。


「うちだけに人が来てもおもろないやん。町のいろんなところに行ってほしい。けんど、言われるがよ。ほんじゃカズちゃん、大豊に何があるが?って。そう言われたら…うーん、なんちゃあないんやけどねえ」と笑う。

朝7時から店の厨房に立つ。ピーク時には500杯ものかつ丼を出す。体はあちこちが痛むが、夕方からは田んぼの手入れに励む。「体がなんぼあっても足らん。きついよ、もうずっと忙しいもん」それでもその手を、その足を休めることはない。明日も長い列が待っている。(木田名奈子)

ひばり食堂の前を流れる穴内川。澄んだ緑色が美しい。
ひばり食堂の前を流れる穴内川。澄んだ緑色が美しい。

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