2020.03.16 08:00

小社会 「非常時」

 コピーライターの糸井重里さんは、東日本大震災を受けて危機を乗り切るメッセージを発信し続けた。発生1カ月後の高知新聞の記事には「こういう非常時に一番聞こえてくるのは『それどころじゃない』という言葉なんです」とある。

 「それどころじゃない」という言葉は人を強く引っ張ってしまう。原発事故の恐怖が広がり、東京を離れる友人も出てきた。しかし自らは右往左往の「右往でやめて判断する」。自分で情報を見極める冷静な対応を呼び掛けている。

 「非常時」には日本人の苦い記憶もあろう。戦前、戦中はその名の下に国民の権利や自由が奪われた。新憲法には緊急事態条項を設けなかった。審議時の内閣は国会答弁で〈非常を口実にした政府の自由判断の余地を大きく残しておくと、どんなに精緻な憲法でも破壊される恐れがある〉。

 新型コロナウイルス対策で、首相が緊急事態を宣言できる改正法が成立した。さらなるまん延への備えは大事だろうが、集会や移動の自由といった人権の制限が含まれている。首相は「伝家の宝刀」を手にしたといわれる。

 心配は宣言の要件が曖昧なこと。さらには刀を抜く人だろうか。現政権は集団的自衛権を巡る憲法解釈、検察官の定年延長でも法解釈を都合よく変更してきた。宣言も恣意(しい)的な政治判断をされては困る。

 どれだけ「それどころじゃない」非常時なのか。国会も社会も冷静に監視する目がいりそうだ。


3月16日のこよみ。
旧暦の2月22日に当たります。つちのえ うま 七赤 大安。
日の出は6時15分、日の入りは18時15分。
月の出は0時34分、月の入りは10時50分、月齢は21.5です。
潮は小潮で、干潮は高知港標準で4時05分、潮位86センチと、17時17分、潮位35センチです。
満潮は9時49分、潮位141センチです。

3月17日のこよみ。
旧暦の2月23日に当たります。つちのと ひつじ 八白 赤口。
日の出は6時14分、日の入りは18時15分。
月の出は1時35分、月の入りは11時41分、月齢は22.5です。
潮は小潮で、満潮は高知港標準で0時47分、潮位118センチと、10時40分、潮位128センチです。
干潮は5時11分、潮位102センチと、18時52分、潮位42センチです。

カテゴリー: 小社会コラム

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