2020.03.14 14:30

新型コロナ県内落ち着く? 県・高知市 濃厚接触者を積極検査

専門家「油断は禁物」
県内初の感染者確認を受けて開かれた記者会見(2月29日、県庁)
県内初の感染者確認を受けて開かれた記者会見(2月29日、県庁)
 新型コロナウイルスの感染者が高知県内で初めて確認されてから2週間が過ぎた。感染者は12人を数えるが、6人は既に退院。9日以降は新たな感染も確認されず、県幹部は「県内の感染拡大は落ち着きつつある」と話す。世界中に影響を与えるウイルスに、どのように向き合うか。

 「感染しても約8割は軽症で済む。未知の点もあり油断してはいけないが、正しく恐れることが大切だ」

 病気を引き起こすウイルスや微生物に詳しい高知大学医学部の大畑(だいばた)雅典教授(59)はそう指摘する。

 そもそもコロナウイルスは、普通の風邪を引き起こす病原体として知られている。人に感染するものとしては今回の新型コロナウイルスが7種類目で、大きさはおよそ100ナノメートル(1ミリの1万分の1)。人間の体の大きさを日本列島に見立てた場合、「ソフトボールくらいの大きさ」という。

 ウイルスは人の粘膜から体内に入って増殖するが、単独では長時間生きられない。SARS(重症急性呼吸器症候群)コロナウイルスはプラスチックや金属、紙、木の表面で2、3日間ほど感染力を保つといい、「新型コロナウイルスもその程度だと思う」と大畑教授。

 新型コロナウイルスは肺の細胞に集まりやすい特徴があり、増殖して次々に細胞を壊し、肺炎を引き起こすこともある。

 特効薬はまだないが、免役システムが働いてウイルスを退治することで回復する。免疫力を低下させないよう、よく寝て疲れを残さないことや栄養バランスが取れた食事が予防につながるという。

 ただ、特効薬がないという点では、他のウイルスによる風邪や感染性胃腸炎、はしかなども同じ。「新型コロナウイルスを過剰に恐れる必要はない」とする。「一人一人が手洗いなどの予防をしっかりすれば感染のピークは抑えられる。これは確か」と力を込めた。

■感染の連鎖
 県内最初の感染者が確認された2月28日以降、連日のように感染者が判明し、感染の“連鎖”はとどまらないかと思われた。

 感染拡大を防ぐため、県と高知市は、感染の恐れがある「濃厚接触者」の調査とウイルス検査に当初から力を入れた。

 国の基準では、マスクなどの予防策なしで発症者と会話をした人などが濃厚接触者とされ、そのうちウイルス検査の対象者は、発熱か呼吸器症状がある人に限られる。

 県と市はその基準から一歩踏み込み、濃厚接触者は症状がなくてもウイルス検査を実施することを決めた。県幹部は「丁寧に検査して感染経路を追うことが重要と考えた」と説明する。

■高知方式
 濃厚接触者を全員調べる“高知方式”。これにより、複数の陽性者を見つけることができた。

 1例目の女性の場合、感染者が多数出た大阪市のライブハウスを訪れていたことを踏まえ、県は当初、ライブ鑑賞後の2月18日に発症したと考えていた。しかし念のため、女性がライブ訪問前に濃厚接触した人も検査の対象に含めた。

 その結果、ライブ前に接触していた友人の感染が判明。県幹部は「出ると思っておらず、驚いた」と打ち明ける。

 女性は外出時は常時マスクを着用しており、国の基準ならば同居の母親だけを濃厚接触者と捉えることもできた。しかし範囲を広げたことで、県東部の男児を含む、ほかの感染が把握できた。

 男児の症状は鼻水だけだったが検査で判明。クラスメート全員や病院関係者に対し、症状がなくても幅広く検査し、全員の陰性を確認した。

 県健康政策部の家保英隆副部長は「積極的に調査し、感染の広がりを捕捉して対応したことが陽性の確認につながった」とする。

 濃厚接触者計80人の検査は、3月13日までに全て終了し、陽性者を除く73人の陰性が確認された。

 現在入院中の6人は、当初は重症とされた2人も含め、全員が軽症となっている。(山本仁、大山泰志)


ご意見窓口
 高知新聞社では新型コロナウイルスに関して「ご意見窓口」のLINE公式アカウントを開設しました。知ってほしい、困ってます。こんな情勢だから言いづらい…でも言わせて。どんな声でも構いません。QRコードまたはバナーから友達登録して声を寄せてください。友だち追加


関連記事

もっと見る

ページトップへ