2020.03.13 08:38

新型コロナに高知県内で過剰反応 「入店遠慮を」「子供に影響」

新型コロナウイルスを巡る風評被害を話し合った芸西村の会議(奥)と県知事、高知市長の会見(コラージュ)
新型コロナウイルスを巡る風評被害を話し合った芸西村の会議(奥)と県知事、高知市長の会見(コラージュ)
 高知県内で新型コロナウイルスに感染した人の職場や医療機関の職員に対し、心ない言動や過剰反応が相次いでいる。飲食店への入店や子どもの預かりを断られる例が報告されており、専門家は不当な対応をやめるように呼び掛けている。

 「申し訳ないけど、入るの遠慮してくれる?」

 高知市の40代の女性は飲食店で声を掛けられた。感染した人と同じ職場で働き、店主はそれを知っていた。

 女性は同僚とは別の部署で、保健所の調査でも濃厚接触者には該当していない。しかし、いつもと違う店主の目にショックを受け、店を出た。

 近所でも避けるような反応があった。買い物は遠くまで出掛け、休日も外出を控えるようになった。取材に応じた女性は「人目を気にして行動しないといけない。精神的にきついです」と漏らした。

 感染した人の職場や、関係する医療機関の職員らの間でも、同様の悩む声が絶えないという。

 職場で声を聞き取った幹部らによると、仕事の相手先を訪問したら建物に入るのを断られた▽小学校に預けた子どもが、他の子と違う別室で過ごす対応を受けた▽子どもが通っている保育園から「登園を控えてほしい」と連絡を受けた▽子どもが「コロナ」とからかわれる―などの事例があった。安芸郡芸西村では11日に風評被害の対策会議も開かれた。

 ある職場には感染者を中傷する電話が頻繁にかかった。別の職場の責任者は「感染者の名前や職場を教えてくれ、という電話も多かった。職員はストレスをかなり抱えて過ごしている」とし、「一番傷ついているのは感染した本人。復帰しやすいように職場全員でフォローするように話し合いたい」。

 高知県精神保健福祉センターには感染した人や家族の心のケアを目的に相談窓口が開設された。山崎正雄所長は「感染した人は自分が迷惑を掛けたように感じて、つらくても声を出しづらい。心理的な負担は強く、1人で抱え込んでしまう恐れがある。周囲の理解が欠かせない」と話す。(福田一昂、山本仁)

思いやる対応を
 高知県感染症対策協議会長、吉川清志医師の話
 患者の家族や関係者、医療者らについては濃厚接触者の基準に従って県や保健所がしっかり対応している。濃厚接触者に含まれてない人は体調管理に注意しつつ普通の生活を送ればいい。

 濃厚接触者の検査結果でも陽性は6%しかいない。感染を恐れすぎればきりがなく、全ての人を排除することになりかねない。相手のことを思いやる気持ちが大切だ。傷つけるような周囲の言動があってはならない。

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カテゴリー: 社会新型コロナウイルス社会

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