2020.03.07 08:45

休校で何してる? 高知県内、子どもたちの姿を追う

 新型コロナウイルスの感染防止のために急きょ決まった小中高校などの臨時休校実施は、6日に高知市内校が加わり、高知県内のほとんどの学校が休校入りした。児童クラブのある所ではクラブが開かれ、高知市では学校が開放された。「自宅で過ごし、不要不急の外出をしない」ことが臨時休校の基本的な考え方だが、街中には中高生の姿が多く見られる。休校中の子どもたちを追った。

両親の職場に毎日通う小笠原孝政さん=右=と佳政君(高知市大津乙)
両親の職場に毎日通う小笠原孝政さん=右=と佳政君(高知市大津乙)
■子連れ出勤 よう置いときません
 長岡郡大豊町の小笠原佳政君(9)=おおとよ小3年=と孝政さん(15)=大豊町中3年=兄弟は、大豊町で休校が始まった2日以降、両親が働く高知市内の行政書士事務所に“通勤”している。

 大豊町は子どもの居場所となる「放課後子ども教室」を小学1、2年を対象に週明けにも開ける予定で、さらに3年以上についても検討するという。ただ、それまでは受け皿がなく、母親の朝子(ともこ)さん(47)は「何かあった時にすぐ駆けつけられないので、子どもだけではよう置いときません」として、子連れ出勤を決めたという。

 2人は職員が仕事する事務所の隅っこで、宿題をしたりテレビを見たり、時には笑い声も起きる。

 「うちは職場に子どもを連れてこられるのでよかったけど、都合がつかない人は困るんじゃないか」と朝子さん。政府の突然の休校要請を受けた今回の休校に「そこまでしなくても」と思っていたそうだが、県内で感染者が増えるいまは「むしろ休校にしといてよかったのかなあ…」と複雑そうだった。

座席の間隔を空け自習に取り組む児童たち(高知市の一ツ橋小学校)
座席の間隔を空け自習に取り組む児童たち(高知市の一ツ橋小学校)
■学校で こんなに来るなら…
 6日から臨時休校が始まった高知市では、共働き家庭などで1人で留守番をすることが難しい子どもを小学校で預かる取り組みが始まった。高知市吉田町の一ツ橋小では初日、低学年を中心に67人が教室や図書室で自習をして過ごした。

 全校児童の3割ほどの102人が学校での預かりを申し込んでいるという。1教室の児童数は10~15人程度で、空席がほどよくある。

 それぞれの教室には担任らがいるが授業はしない。家庭学習のプリントをしたり、読書や折り紙をしたり。休み時間には校庭に飛び出し、思い切り体を動かしていた。

 あるクラスでは半数ほどの児童が登校。担当教員は「これだけ来ると、そもそも何のための休校かという疑問もわく。学校に来ていない子が、家でずっとゲームをしてるんじゃないかと思うとそちらも心配」と複雑な心境をのぞかせた。

 川村靖校長は「初日は静かに自習しているが、これが10日続いたらどうなるか。感染防止が第一だが、子どものストレスがたまらないよう柔軟に対応したい」と話していた。

午後の検温をする児童たち(南国市大埇甲のひまわり学童クラブ)
午後の検温をする児童たち(南国市大埇甲のひまわり学童クラブ)
■児童クラブで 検温で発熱なければ
 南国市の大篠小の「ひまわり学童クラブ」には1~3年74人が集まった。児童は宿題をする以外は卓球やブロック遊びをして楽しそうに過ごした。ただ、受け入れているのは普段クラブを利用している子だけで、「学校が休みになって学童に来ん友達に会えんのはつまらん」の声も。

 新型コロナウイルスの感染が広がる中、児童は自宅で熱を測り、37・5度以下でないと受け入れてもらえないというルール。クラブでは午後にも検温し、手洗い、うがいも徹底している。支援員の板垣真波さんは「ここが感染したら、親御さんがいよいよ困ってしまう」と話す。

 高知市では校区に関わりなく、広く児童を受け入れる民間の放課後児童クラブも。高知市中秦泉寺の「未来のこどもクラブ」にはこの日、近くの秦小と付属小の1~3年生9人が来て、手洗いとうがい、検温をした後、プリント学習をしたり友達同士で遊んだりした。

 一斉休校が決まって以降、子どもの預け先に困った保護者からの問い合わせが相次ぎ、普段は来ていない児童の臨時利用もあるという。

 上本晴子代表は「消毒液であちこち拭いたり、子どもたちが濃厚接触しないように心掛けているが完全には難しい。子どもが1カ月間飽きずに過ごせるよう、工作などいろいろ考えています」と苦悩をのぞかせた。

タブレット端末で勉強する中2と小4の姉妹(大川村井野川)
タブレット端末で勉強する中2と小4の姉妹(大川村井野川)
■自宅で学習 タブレット端末活用
 土佐郡大川村の大川小中学校は、児童生徒28人全員に貸与しているタブレット端末を活用して学習をサポートしている。

 タブレットは大川村が数年前から貸与し、日常的に学習に使っている。アプリの問題を解き教員とやりとりすることもできる。

 小学5、6年の担任、小笠原秀春教諭は受け持っている7人に、学習した内容と感想を記録して毎日送信してくるよう指導。「自学ノート2ページ(25分)」などと書かれた記録をチェックし、「子どもの状況がよく分かります」。休校中も児童が学習に向かえていることに満足そうだ。

 大川村井野川の自宅で勉強する中学2年の近藤菜々美さんは「ドリルには解説もあるし、分からないところはすぐ先生に聞ける。便利です」と話していた。

■街中で カラオケ店に次々と
 午後1時すぎの高知市中心街には私服姿の子どもたちがちらほら。カラオケ店に入ろうとしていた中学3年の女子2人組は「高校入試の打ち上げ」だという。新型コロナウイルス拡大防止のための休校だが、「受験までずっと家におったのに1カ月も出掛けたらいかんとか、ちょっと…」と苦笑いを見せた。

 その後も2人、3人、6人…、中高生のグループがカラオケ店に吸い込まれていった。アーケード街もいつもの休日のような雰囲気だった。

 友人宅で勉強するという県立高1年の女子3人組は「先生には家から出ないでね、って言われたけど『みんな絶対出るろ』って思いよった。部活もないんでさすがに暇」と顔を見合わせた。

 小学6年の長男と買い物に来ていた同市内の女性(48)は「家から出ちゃいかんって分かっているんですけど…。親としてはこんな時に、どっか連れだしちゃりたい気持ちがある」と困り顔で話していた。(高知新聞取材班)

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カテゴリー: 教育新型コロナウイルス主要社会

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