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高知新聞PLUSの活用法

2020.02.24 08:40

【読もっか いのぐ】考えよう!未来の避難所プロジェクト2019(下)

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【TKB 最初からフル装備! 中学生が改善要求】
 防災いのぐ記者が昨秋から取り組んできた「未来の避難所プロジェクト」。これまでの学習では、専門家から「雑魚寝はおかしい」「災害時だからこそ尊厳のある生活を」という考えや、「T(トイレ)K(キッチン)B(ベッド)」において「トイレは水洗。洗面台、シャワーもある」「プロがキッチンで調理。食堂もある」「ベッドが当たり前」で、24時間で完備を目指すイタリアの事例を学びました。

 最終回は、いのぐ記者たちが話し合い、「未来」を形にしました。下のイラストです。説明すると―。

【T】コンテナ型で感染症予防に水洗。流水音を再生する機器も。屋外照明は安全や防犯が目的。

 【K】キッチンカーで温かい食事を作り、食堂で提供。栄養サプリメントを配るのは、スポーツ好きのいのぐ記者の発案。

 【B】間仕切りで個室を造り、そこに簡易ベッド。インターネット関連の装備は、「情報収集は不可欠」という考えで備えました。

 しかも、避難所生活の初期段階からほぼフル装備。この「未来」、みなさんはどう感じますか?

◆内閣府のガイドライン
 内閣府という国の機関による、避難所とトイレに関する目標。いのぐ記者たちの「未来」はこれを上回る早さと質を求めています。

【大人たちへの宿題】高知大学防災推進センター、大槻知史准教授の話
 最前線の事例を踏まえた、いのぐ記者たちの「未来」。中学生の感覚も盛り込んでくれた素晴らしいものだと思う。特にプラスαの部分。トイレの水流音を出す装置は、女子たちの実感から出た意見。放置すれば心理的につらい人もいる。

 あるいのぐ記者は、「避難者の声を聞き続けることが大事」とも書いていた。この姿勢が大切。小さな声や要望に耳を傾け、臨機応変に改善しようとすることが避難者を支える。

 大人はこの「未来」を「夢」というかもしれないが、そう思っている限り何も変わらない。達成すべき「ゴール」で、大人への宿題だと思う。

【今の法で実現可能】避難所・避難生活学会理事、岡本正弁護士の話
 まず核となる最低限の備蓄が必要。その上で災害発生後の不足分は、市町村が災害救助法をフル活用して要望する。「未来」の実現は十分可能だ。過去の災害で、災害救助法を柔軟に適用した例を見ても、決して夢などではない。

 一番よくないのは「避難所とはこんなもの」という考えで、現状を変えないことだ。

【高知新聞社】2020年度「防災いのぐ記者募集」

高知新聞社は高知県内の中学生を対象に、2020年度の「防災いのぐ記者」を募集します。

 体験学習や講座など1年間の学びで、次世代の防災リーダーを育てる事業。高知新聞社の防災プロジェクト「いのぐ」の一環として2017年に始まり、ことしで4年目。

 2020年度の学びは4月下旬にスタート。活動は随時、高知新聞の記事として掲載します。夏休みには代表4人を東日本大震災の被災地へ派遣。現地での学びを、紙面でリポートしてもらいます。

 活動にお金は一切掛かりません。ご応募お待ちしています。

2020年度の「防災いのぐ記者」の募集要項は以下の通り。
 【活動内容】年間10回程度の研修会への参加(過去の研修会=災害食作り、応急処置体験、防災用具の活用訓練、災害ボランティアの仕組み学習など)、代表者による東日本大震災の被災地での学習とレポート、など。
 【活動期間】2020年4月から2021年3月末までの1年間(中学校在学中は継続可)
 【定員】30人程度 ※応募者多数の場合は登録申込書の志望動機などを参考に選考する場合があります。
 【応募資格】2020年4月時点で、高知県内の中学校に在籍している生徒。
 【第1回研修会】日時=4月下旬、高知市本町3丁目の高知新聞社で予定。防災の基礎知識を学び、いのぐ記者同士の親交を深めます。
 【応募方法】高知新聞ウェブサイトにある応募フォームから。もしくは専用の登録申込書に必要事項を記入し郵送してください。
<応募フォームはこちら> 
<登録申込書はこちら> 
 【締め切り】4月17日(金)必着
 【応募・問い合わせ先】〒780―8572 高知市本町3の2の15、高知新聞社読もっかNIE編集部「防災いのぐ記者」係(電話088・825・4081=平日午前10時~午後6時)

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