2020.02.20 08:40

土佐町の不登校支援で混乱 保護者と連携不足で事業仕切り直し

 今年1月から、不登校の子どもたちが通う「教育支援センター」機能を持つ、先進的な学習環境の実現を目指していた高知県土佐郡土佐町は、その在り方を見直すこととした。保護者や学校との連携不足により事業への疑義の声が噴出したためで、和田守也町長は「ゼロベースで考えたい」としている。

 教育支援センター事業を受託しているのはNPO法人「SOMA(そま)」。土佐町田井の「町の学び舎(や)あこ」を拠点に教育支援などを行っている。

 2019年7月、SOMAは教育支援センターで幼小中の子どもの「個別に最適化した学び」といった先進的な学習環境を提供する事業i.Dare(イデア)を始めるとして、経済産業省の実証事業に応募し、9月に採択を受けた。10~12月に3度の体験イベントを開催し、会員制交流サイトなどの告知で知った土佐町小中学校の児童や保護者らに参加を呼び掛け。今年1月14日に事業が始まり、土佐町から7人、隣の長岡郡本山町から4人の児童が通い始めた。

 ただ、土佐町教育委員会が土佐町小中学校教員に正式に事業概要を説明したのは2019年末。保護者への連絡は、3学期の始業式の日(1月8日)に学校を通じてチラシを配っただけ。保護者から「友だちが急に学校に来なくなり、子どもが困惑している」などの声が上がった。

 さらに土佐町の6人は不登校児ではなかった。土佐町教育委員会は「潜在的な不登校児童が事業で顕在化した」とするが、教育支援センターに移る判断はSOMAと土佐町教育委員会で行い、学校側が関わっていなかったことも混乱に拍車をかけた。

 こうしたことから、17日までに土佐町議会と土佐町執行部などが会合を開催。沢田智則教育長は関係者への説明が遅れた理由を「詳細が決まっておらず説明できなかった」と釈明し、「事前説明が不十分で、手順もまずかった」と陳謝した。和田町長は「十分な説明がないまま始めたことで誤解を招いた。子どもの実情を踏まえ、教育支援センター事業をゼロベースで考える」と述べ、関係者で議論する場を設ける意向を示した。

 子どもが不登校気味で、教育支援センターに通わせたという保護者の1人は「学校に行けない子どもの受け皿はあってほしい」とし、「子どもが中ぶらりんにならないよう、関係者は冷静に考えてもらいたい」と訴えている。(森本敦士)

カテゴリー: 教育

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