2020.02.19 08:40

和紙糸で楮の未来つなぐ 土佐市の三和製紙が開発

楮を主原料にした和紙糸製品(土佐市高岡町丙の三和製紙)
楮を主原料にした和紙糸製品(土佐市高岡町丙の三和製紙)

 土佐市の三和製紙グループが、自社栽培した楮(こうぞ)を使った和紙糸を開発した。和紙糸は、近年アパレル業界で採用が増えている注目の素材。「土佐の楮文化を未来につなげる希少な糸が完成した」と、販路開拓に励んでいる。

 和紙糸は細い和紙をより合わせるなどして糸状にしたエコ素材。通気性の良さや軽さなどが特徴で、衣料販売大手がジーンズやシャツに採用するなど人気が上昇している。

 その大半は麻を原料としているが、自社栽培・加工など楮の“復権”にかねて取り組んできた同社グループは「和紙糸も楮で」と2014年、オリジナルの撚糸(ねんし)機を開発。楮の持ち味である強さ、軽さ、しなやかさを引き出すため、和紙を薄く漉(す)く技術を応用するなど「独自の製法」で実用化した。

 楮はもともと、吸湿性や発散性に優れており、栽培から加工まで楮関連事業を担うグループ会社「クリーンアグリ」の担当者は「優しい風合いで、他社製品よりも肌触りが柔らかく仕上がった」と胸を張る。

 開発後は県内の織物作家の協力も得て商品化を進め、かばんやショール、ワンピース、のれんなどの試作品が完成。現在、PR活動を本格化させている。商品企画・販売を担当するグループ会社「三彩」の鈴木佐知代社長(70)は「国産楮の栽培は激減し、価値は高まり続けている。高付加価値の糸として国内外に発信していきたい」と話している。(竹内悠理菜)

カテゴリー: 主要政治・経済高知中央


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