2020.02.14 14:31

黒潮牧場被害で高知県が2億円請求 衝突船の支払い拒否で仲裁申し立て

 2017年4月、土佐清水市沖にある高知県の浮き魚礁「土佐黒潮牧場8号」に外国貨物船が衝突した事故で、県の被害額が約2億円に上ることが14日分かった。県は貨物船を所有するパナマの海運会社に賠償請求したが拒否されたため、イギリスの海事仲裁機関に仲裁を申し立てる。
 
 高知県によると、衝突は2017年4月11日午後8時ごろ発生。パナマの海運会社が所有する貨物船(約2万トン)が、足摺岬の東方57キロの魚礁に衝突し、太陽光パネルやGPS装置、通信機器などが破損した。
 
 高知県は、機器類の修理に加え、魚礁全体を取り換えざるを得なくなったため、被害総額は約2億円に上ったとして、2019年7月にパナマの海運会社に賠償請求した。
 
 しかし、海運会社は「衝突と被害の因果関係が不明確」「県の黒牧の設置に関する周知に問題がある」と支払いを拒否。高知県は2020年4月で請求権(3年間)が時効を迎えるため、2月6日に英領ジブラルタルに停泊中だった貨物船を現地の裁判所を通じて差し押さえた。
 
 海運会社は差し押さえ解除と引き替えに、仲裁機関の判断に従うことを確約した書面を高知県に提出した。県は差し押さえを解除し、海事紛争を多く取り扱っている英国の「ロンドン海事仲裁人協会」に申し立て、仲裁手続きを進めることを決めた。
 
 高知県漁業振興課によると、仲裁までに1~2年かかる見通し。高知県の仲裁申し立てには県議会の議決が必要で、2月定例会に関連議案を提出する。高知県漁業振興課は「議決後は速やかに申し立て、県の言い分を訴えていく」としている。(五十嵐隆浩)

カテゴリー: 政治・経済幡多

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