2020.02.08 08:55

客船「ウエステルダム」高知新港寄港中止 新型肺炎、高知県は対応苦慮...今後45隻予定

昨年4月17日、高知新港に入港した客船「ウエステルダム」。今月の寄港は中止されたが…(高知市仁井田)
昨年4月17日、高知新港に入港した客船「ウエステルダム」。今月の寄港は中止されたが…(高知市仁井田)

入国可否は政府判断
 新型コロナウイルスによる肺炎に関し、高知県がクルーズ船の寄港対応に苦慮している。発症の恐れがある乗客が出た「ウエステルダム」は今月19日に高知新港への寄港を計画。7日になって中止が決まったものの、集団感染が拡大する「ダイヤモンド・プリンセス」を含め、3月以降の1年間で45隻が寄港を予定する。これまで客船の経済効果を歓迎してきた県も感染リスクに困惑しており、「入国拒否の判断は国次第。県はそれを踏まえて対応するしかない」としている。

 「ウエステルダム」の代理店から県に寄港の予約が入ったのは今月3日。「新型肺炎を受け、中国を巡るクルーズを横浜発着に変更した。乗船者は欧米人を中心に約2千人。19日に高知に寄港したい」というものだった。

 3日は「ダイヤモンド・プリンセス」から下船した乗客の感染が表面化した日。しかしこの時点で政府は入国拒否を決めておらず、「県の判断で寄港を拒否する状況になかった」(県港湾振興課)。港湾管理の権限は県にあるものの、港湾法は船舶の寄港について「不平等な取り扱いをしてはならない」と規定しているためだという。

 県の問い合わせに対し、運航会社は「中国湖北省に最近渡航した人は乗せない」「乗船前に全乗客の健康チェックを行う」と説明。外国人客はいずれも来高前に検疫を受けるため、「大丈夫と判断した」(同課)。

 このため県は「ウエステルダム」の寄港を許可。県独自の対策として、高知新港で乗客の体温を確認するサーモグラフィー2台を発注し、乗客が参加する県内ツアーでアルコール消毒やマスク着用を徹底することも確認するなど、受け入れ準備を進めた。

 その後、高知を含むツアーの前に香港発のクルーズ中だった「ウエステルダム」で発症した恐れのある人が確認され、政府は6日夜、同船に乗船する外国人の入国拒否を発表した。7日には運航会社がホームページで高知を含むツアーの中止を明らかにした。

 一方、「ダイヤモンド・プリンセス」は乗客の集団感染が広がって横浜港に足止めされる状況が続いており、こちらの運行会社も7日、2~3月の五つのツアーを取りやめた。ただ、3月27日に高知新港に寄港するツアーは今のところ中止対象には入っていない。

 同港には来年3月末までに45隻が寄港を予定しており、うち9隻は中国からのクルーズ。県には県民から「外国客船を入れないで」「県内に感染が広がったらどうするのか」といった電話も届いているという。

 取材に対し浜田省司知事は、「ウエステルダム」の予約段階では乗客の感染が確認されていなかったことなどから、「安全が確保されているという前提で準備を進めた」と説明。「今後は国との相談や情報収集を行い、感染の拡大や収束の状況を見極めながら安全が確認できるかにポイントを置いて対応する」と慎重な姿勢を示した。(大山泰志)

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