2020.02.07 08:50

テレビゲームで脳活性化 高知市で「健康ゲーム指導士」養成講座

レーシングゲームを笑顔で楽しむ参加者(高知市本町4丁目)
レーシングゲームを笑顔で楽しむ参加者(高知市本町4丁目)

 テレビゲームで健康寿命を延ばす―。そんな取り組みが全国に広まりつつある。鍵を握るのは、高齢者施設などでゲームの遊び方を指南する「健康ゲーム指導士」の存在だ。2月初旬には高知市で養成講座が初めて開かれ、介護福祉士や主婦らが「みんなで楽しみ、脳を活性化する」指導方法を学んだ。

 「○○さん一番上手!」「わー速い!」

 15~81歳の約40人が参加した講座。スクリーンには人気レーシングゲーム「グランツーリスモSPORT」の画面が映し出され、1人ずつが順番にハンドル式のコントローラーを握る。

 見守る“観客”は拍手をしたり、声援を送ったり。レースが終われば周りの人とハイタッチ。リズムゲーム「太鼓の達人」でも盛り上がり、和やかな時間が流れた。

 「初めてのことにチャレンジすると脳は老化しません。まずは自分自身が楽しく笑顔でやりましょう」

 全国の高齢者施設などで活躍する健康ゲーム指導士の臼見啓子さん(64)=横浜市=が明るく声を掛ける。この日は、全員にゲームに参加してもらう工夫や一体感を生むためにタンバリンやマラカスなどの鳴り物を準備することを助言した。

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 健康ゲーム指導士とは、高齢化が進む中、テレビゲームで高齢者のレクリエーションの時間を充実させようと、「日本アクティビティ協会」(神奈川県)が2018年から認定している民間資格。

 日本アクティビティ協会は関東や東北などで養成講座を開いており、全国で200人ほどの有資格者がいる。東京や名古屋、岩手などではデイサービスや自治体の健康教室などで定期的に指導士が教え、利用者同士の交流につながっている事例もある。

 日本アクティビティ協会の川崎陽一理事長(48)は「ゲームは世代や性別を超えて交流できる。特に高齢の男性は女性に比べてレクリエーションや体操教室などへの参加が少ないが、ゲームならば参加率が高い」と胸を張る。家に引きこもることを防ぐ効果も期待されるという。

 慶応大などとの共同研究では、高齢者が公共の施設で知人や地域の人と一緒にゲームをすると、判断力や瞬発力の向上につながることが分かっている。

 近年は、生活に支障が出るほどオンラインゲームなどに熱中する「ゲーム依存症」が問題になっているが、川崎理事長は「『ゲームとは公共の場で決まった時間にみんなでやるもの』と最初に定義を説明する。若者が自室にこもって1人でやるゲームとは違うので、依存症になるとは考えにくい」と話す。「むしろゲームにはまって生きがいができ、生活に張りが出たといううれしい声もある」

 認知症予防に関心があり、今回の講座に参加した金本政治さん(69)=高知市=は「初体験だったが、みんなで盛り上がってすごく楽しかった。介護施設でアルバイトをしているので、いつか自分も教えてみたいなと思いました」と笑顔で話していた。(深田恵衣)

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