2020.01.29 08:40

真冬の里にコウゾ蒸しの香り 土佐和紙の原料、伝統の手作業

約2時間半かけて蒸したコウゾ(いの町上八川丙)
約2時間半かけて蒸したコウゾ(いの町上八川丙)
 高知県吾川郡いの町の吾北地域で、土佐和紙の原料となるコウゾの加工が行われている。畑から切り出したコウゾの枝を蒸して軟らかくした後、住民が1本ずつ手で皮をむく伝統の作業。冬の山里に独特の香りと人々の笑い声が広がっている。

 高知県はかつて、全国一のコウゾ生産量を誇ったが、近年は和紙の需要減や生産者の高齢化などで激減。そんな中、町内の和紙職人から要請を受け、吾北地域の地域活性化グループ「上東を愛する会」(筒井茂位会長)が10年前から生産加工を手掛けている。

一本一本丁寧に皮をはいでいく住民(いの町上八川丙)
一本一本丁寧に皮をはいでいく住民(いの町上八川丙)
 今年は、今月21~23日に上東を愛する会メンバーらの畑から千キロ近いコウゾを収穫。25、26日にいの町上八川丙の和田博さん(43)宅の庭に10人ほどが集まり、今季初の加工作業に精を出した。

 100キロ以上のコウゾの束をかまどの上に立て、甑(こしき)と呼ばれる高さ約2メートルの木おけをかぶせて2時間半ほど蒸す。その後、「年がいって作業が遅うなった」「みんなで集まって剥ぐのが毎年の楽しみ」と時折笑い声も響かせながら、一本一本丁寧に皮を剥いでいった。

 いの町上八川地域では2月上旬にも同様の作業をした後、むいた皮から白い繊維だけが残るようにそぐ作業をする。6月ごろまでに順次、町内の和紙職人に出荷するという。(山崎友裕)

カテゴリー: 社会高知中央


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