2020.01.24 08:37

「付加価値高い産業を」 浜田知事が第4期産振計画へ意欲

就任して初の産業振興推進本部会議に臨む浜田知事(県庁)
就任して初の産業振興推進本部会議に臨む浜田知事(県庁)
初の本部会議は浜田流?説明時間短縮
 浜田県政になって初めてとなる高知県産業振興推進本部会議が23日開かれた。尾﨑県政で進めてきた産業振興計画の継承を掲げる浜田省司知事は、2020~2023年度を対象とする第4期産振計画に向けて「付加価値の高い産業づくりをしていく」と意欲を強調。新しい柱として、関西圏との経済連携の強化やデジタル技術と地場産業の融合を打ち出した。
 
 高知県産業振興推進本部会議の本部長を務める浜田知事は冒頭、全国的な人手不足に言及。「都会の高い雇用吸収力に負けないだけの付加価値を持つ産業、高い給料が払える産業をしっかり育てていかなければならない」と強調した。
 
 第4期計画に盛り込む関西圏との連携強化は、昨年の知事選で訴えてきた公約の一つ。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の開業、2025年の大阪・関西万博など大規模なプロジェクトを控えている関西圏の経済活力を誘引し、観光振興や食品などの外商拡大につなげる。
 
 具体的には、4月に行政関係者や経済界、関連企業などで構成する「関西・高知経済連携強化アドバイザー会議(仮称)」を設置。具体的な施策を盛り込んだ戦略を2020年度中に策定し、2021年度から実行する。
 
 デジタル技術と地場産業の融合では、「Next次世代型施設園芸システム」の開発や「高知マリンイノベーション」を推進し、生産性の向上や高付加価値化を図る。また、各産業分野の関係者に加え、県内外の大学や企業が集まるプラットフォームを設け、新たなビジネスモデルやサービスの開発を促進する。
 
 個別の分野では4年後の数値目標に、農業産出額等1221億円以上(直近値=2018年1177億円)▽製造品出荷額等6500億円以上(直近値=2017年5810億円)▽県外観光客数460万人以上(直近値=2018年441万人)▽年間移住者数1300組以上(直近値=2018年度934組)―などを設定する方針を示した。
 
 各産業団体トップや有識者らでつくるフォローアップ委員会での協議、2020年度の当初予算編成などを踏まえ、3月に第4期計画を策定する。
 
産振会議コンパクトに
 浜田県政で初めて開かれた県産業振興推進本部会議。尾﨑県政では尾﨑正直前知事のチェックが入るなどして丸1日、時には2日にまたがったが、この日は約4時間で終了。会議の進め方に、浜田流の一端がのぞいた。
 
 産振本部会議は、知事が各部局の報告を受けて取り組みを確認すると同時に、庁内で情報を共有する場。年数回開かれる。前知事は個々の施策を細かくチェックし、気になるところは徹底して担当職員に注文。時間の延長も珍しくなく、トップダウン型を象徴する場だった。
 
 一方、浜田知事は冒頭あいさつで「各分野の議論を重ねてきた上で、全体像を共有する会議」と会議の趣旨に言及。仕切り役の産業振興推進部は、知事と協議の上、部局長らの説明時間を従来の半分以下に設定した。結局、個別施策のやりとりも数えるほどで、会は淡々と進行した。
 
 ただ、浜田知事に締めるところがなかったわけではなく、最後のあいさつで「事業をやることが目的になっていると思われるものがある」とくぎを刺す発言も。一方で、終了時間が予定を半時間過ぎたことに触れ、「時給が高い人間が集まって30分超過をしたのは残念」と笑わせる場面もあった。
 
 この会議の在り方に職員は「あっさり終わったので違和感がある」「効率化されて良いのでは」など反応はさまざま。ある幹部は「新旧スタイルは一長一短。前よりプレッシャーは確かに減ったが、その分、自分たちの自覚が問われる」と話していた。(井上智仁、五十嵐隆浩)

カテゴリー: 政治・経済

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