2020.01.22 08:00

小社会 たむろ禁止

 「屯」という1字は「たむろ」と読む。もとは兵の群れ、部隊、またはそれがいる場所の意味だと語源辞典にある。自衛隊の駐屯地の「トン」。「たむろする」という言葉に悪い意味はない。

 転じて「仲間が多く集まるところ」の意になったのは、江戸時代だそうだ。長屋の井戸端会議や縁台将棋なども一種のたむろだろう。現代のたむろにはなんとなく、うさんくさい響きがつきまとうようになった。

 阪神大震災から四半世紀を振り返る高知新聞記事の中に、「たむろ禁止」という言葉を見つけ、少し驚いた。場所は神戸市の被災者向け集合住宅。高層ビルの1階集合ポスト脇にベンチがあり、高齢者が談笑して菓子を分け合う憩いの場だった。

 そこに昨年夏、「たむろ禁止」の張り紙が掲示された。管理者から「ポスト前に集まらないように言われた」という話も広まり、誰も集まらなくなったという。管理者側は「深夜に飲酒して騒いだ人がいたためで、高齢者を排除するつもりはない」との立場だが。

 詳細は分からないが、小さな言葉の行き違いでも被災者は傷つきやすい。もう少しきめ細かい対応ができなかったのか。数年前、神戸市の似た街を歩いたとき、高層ビルに人の気配がせず、高齢者らの孤独死が後を絶たないという話も聞いた。

 立派な道路や建物はできても、大事なのは暮らしの復興だろう。必要なのはむしろ仲間が楽しくたむろする場所ではないか。


1月22日のこよみ。
旧暦の12月28日に当たります。きのえ ね 七赤 先負。
日の出は7時08分、日の入りは17時27分。
月の出は4時46分、月の入りは14時57分、月齢は26.9です。
潮は中潮で、満潮は高知港標準で5時11分、潮位144センチと、15時53分、潮位150センチです。
干潮は10時28分、潮位86センチと、22時57分、潮位0センチです。

1月23日のこよみ。
旧暦の12月29日に当たります。きのと うし 八白 仏滅。
日の出は7時08分、日の入りは17時28分。
月の出は5時44分、月の入りは15時50分、月齢は27.9です。
潮は大潮で、満潮は高知港標準で5時53分、潮位153センチと、16時40分、潮位156センチです。
干潮は11時15分、潮位81センチと、23時38分、潮位-8センチです。

カテゴリー: 小社会コラム

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