2020.01.20 08:00

小社会 大寒

 あかぎれをそくう、と聞いてもかなりの年配の人でないとピンとこないのではないか。冬、乾燥した皮膚がカチカチに硬くなり、割れて強い痛みが出るあかぎれ。そのぱっくり裂けた傷口にアメのような薬を押し込み、焼け火箸を近づける。
 
 薬は泡を噴いて液体になり傷口深く浸透していくが、その痛いのなんの。歯を食いしばって苦痛をこらえたと、作家の宮尾登美子さんの随筆集「女のこよみ」にある。
 
 昔の女性は手も凍るような水でコメをとぎ、菜を洗い、拭き掃除をした。手足が荒れて、こんな荒療治を経験した人も少なくなかったのだろう。暖房が普及して、水道の蛇口をひねれば温水も出る今とは比較になるまい。
 
 きょうは二十四節気の「大寒」。一年で寒さが最も厳しいころだが、県内はこのところ最高気温が10度を超える日が続く。予報では今週後半には20度近くまで上がる日も。向こう1カ月の平均気温も平年より高い見込みという。
 
 「冬があまり寒くなくなってきた」。そんな実感を抱いている人もいるだろう。暖冬には地球温暖化の影響も懸念されている。温暖化による「気候の危機」が言われる時代。暮らしの中で感じる、ちょっとした変化に敏感でありたい。
 
 便利な生活に慣れた自らを戒めるために、宮尾さんはあかぎれの痛みを忘れないでいようとした。暦通りに寒い冬を迎える。それはそれで懐かしく、ありがたいものであろう。
 

1月20日のこよみ。
旧暦の12月26日に当たります。みずのえ いぬ 五黄 先勝。
日の出は7時09分、日の入りは17時25分。
月の出は2時41分、月の入りは13時26分、月齢は24.9です。
潮は若潮で、満潮は高知港標準で2時57分、潮位122センチと、13時55分、潮位141センチです。
干潮は8時01分、潮位87センチと、21時15分、潮位24センチです。
 
1月21日のこよみ。
旧暦の12月27日に当たります。みずのと ゐ 六白 友引。
日の出は7時08分、日の入りは17時26分。
月の出は3時44分、月の入りは14時09分、月齢は25.9です。
潮は中潮で、満潮は高知港標準で4時17分、潮位133センチと、14時58分、潮位145センチです。
干潮は9時25分、潮位89センチと、22時11分、潮位11センチです。

カテゴリー: 小社会コラム

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