2020.01.13 08:43

算数授業に3つの「感」 四万十町の教諭が教育書 全国で販売

著書を手に「授業は子どもたちの思いを最優先に」と話す森寛暁さん(四万十町の昭和小学校)
著書を手に「授業は子どもたちの思いを最優先に」と話す森寛暁さん(四万十町の昭和小学校)
 高岡郡四万十町の昭和小学校教諭、森寛暁さん(39)が授業で大切にしたい心構えなどを記した教育書「3つの“感”でつくる算数授業」がこのほど出版された。教育専門の出版社の企画で最優秀に選ばれ、書籍化された。森さんは「どの教科でも通じる内容だと思う。子どもに勉強の楽しさを伝えるよう、役立ててほしい」と話している。

 森さんは同町出身。学芸高校から関西大学工学部に進んだが、音楽ライブの企画やCD制作にのめり込み、6年間の在籍の末に退学。その後は大阪でバーテンダーとして生計を立てつつ、音楽活動を続けていた。

 2011年3月の東日本大震災の後、「自分は本当は何がしたいのか」と自問するようになり、「人の役に立ちたい。教師になろうと、ひらめいた」。通信制大学で小学校の教員免許を取得。被災地で数カ月ボランティアをした後に帰高し、高知市の付属小と同町の北ノ川小で講師を2年。16年に採用され、室戸小に3年勤めたのち、昨年4月から昭和小で教壇に立っている。

 そんなユニークな経歴の持ち主は「学校の授業は、バーテンダーの仕事や音楽ライブの企画とよく似ている」。その心は、いずれも「相手が何を求めているかを探っていく」ことという。

 室戸小勤務時代の18年6月、授業にかける思いを「何かの形にできないか」と考えていたところ、東洋館出版社(東京都)が、最優秀賞を出版するとして募集していた「教育書新人賞」(小学校算数部門)への応募を思い立った。

 書き始めたのは締め切りの1週間前。授業での児童とのやりとりなどを記し、大切にしている思いを一気に書き上げて送ったところ、見事、応募29件のトップとなった。

 書き上げた本では、「間違えてもいいという安心感」「もっとやりたいという期待感」「なるほど、分かったという納得感」の三つの「感」を児童が得られるのが良い授業だと訴え。同時に教員には「観(しっかりとした教育方針、教育観)」「感(児童が何をしたいかに気付く感性)」「間(児童が分かるまで待つ)」の三つの「かん」を求めた。

 「原点は、子どもたちの思いを最優先にすること」と森さん。「教師の成長なくして、子どもの成長なし」と、今後もより分かりやすい授業に取り組むことを誓う。

 本は同社刊で、昨年12月下旬から全国の書店やWEBサイトで販売。四六判、200ページで税込み2090円。(井上太郎)

カテゴリー: 主要教育高幡

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