2020.01.13 07:00

【読もっか U-15 高知の声】白熱!生徒会選挙

 昨年11月の高知県知事選挙の投票率は約48%で、過去2番目の低さでした。18、19歳も投票できますが、その投票率は約27%でした。

 一方で。投票率がほぼ100%の選挙があります。各中学校での生徒会役員選挙です。

 毎年11~12月に行われますが、取材してみるとその時期、中学校は選挙一色。しかも、大人の世界さながらの仕組みで展開されていました。(新田祐也)

【「公約」で決まる1票】
 「仲がいいから、頼まれたからという理由でなく、(役職に)ふさわしい人物を、自分で選んで下さい」

 選挙管理委員会の生徒のアナウンスが体育館に響きます。香美市の鏡野中学校。生徒会役員選挙の演説会が始まりました。

 壇上には候補がずらり。10の役職に21人が立候補。近年まれに見る激戦、生徒会長には2年生4クラスから1人ずつ、計4人が立ちました=写真。

 会長候補の2年生女子は、生徒会への憧れ、参加したボランティア活動の実績を挙げ、「経験を生かし、全校をまとめる大きな仕事がしたい」と訴えました。

         ◆
 ふさわしい人物を選ぶ。一番重要な判断材料は、候補の「公約」。

 南国市の香長中学校。厚生委員長候補の2年生、土居和槻さんは「給食の準備開始を早め、(食事の時間を確保し)残食率ゼロを目指す」。高知市の横浜中学校。学習委員長候補の2年生、谷内優斗さんは「テストの予想問題を分かりやすく、生徒も進んで取り組めるようにする」と宣言しました。

 学校生活をどう豊かにするか。その訴えが一票につながるのです。

【「大人の選挙」のよう】 
 生徒会役員選挙の流れはこうです。生徒たちによる選挙管理委員会が、投票の1カ月ほど前に発足。立候補したい生徒は学級会で演説し、一定数のクラスメートの承認を得た上で、選挙管理委員会へ届け出ます。校内に名前が告示され、全校生徒が集まっての演説会を経て、投開票。選挙結果の公表、となります。

 道具を工夫する学校もありました。

 その一つが選挙ポスター。多くの学校では名簿か似顔絵ですが、高知市の横浜中学校では今年、写真を使いました。掲示板に並ぶ笑顔は政治家のよう=写真。3年生の津野将乃介さんは「大人の選挙みたいでワクワクした。だから、しっかり考えて投票した」。

 高知市の城西中学校では、市役所から本物の投票箱と名前の記載台を借り、校内3カ所に投票所を開設=写真。投票できる時間も始業前と昼休みに設け、都合のいい時間に投票できる「大人の選挙」を再現したそうです。


 また、香美市の大栃中学校では開票後、立候補者名簿に赤い花をペタリ。国会議員の選挙の時、それぞれの政党で見られるような光景がありました。

【激戦で感じたことは】
 さて、生徒会長に4人が立候補した鏡野中。この激戦には、先生たちも「近年ない」と驚きます。多くの候補が立った理由は? 生徒や先生たちは「前生徒会の成果」といいます。

 前田圭一校長によると、前生徒会は毎朝、校門であいさつに立ち、周辺の掃除も続けました。給食残食率の低下も実現。行事の企画、準備にも積極的で「自ら考え、行動し、学校を引っ張った。大人でもそうそうできないですよ」と評価します。

 激戦をくぐり抜け、当選したのは2年生の細川はるかさん。「責任が重い。不安はあるけど、他の候補の思いやみんなの声を取り入れながら、学校をさらによくしたい」と力を込めました。

 当選結果の発表後、生徒たちに今回の選挙について聞きました。3年生の男子3人組は当初、「候補が多くて、演説会が長くなる」と感じたそうですが…。

 「演説、良かった。どの候補も学校の将来をしっかり考えちょった。その中から会長を選べるのは、すごいこと。もちろん自分が投票した人が当選してない人もおるけど、不満をいう人は少ないと思う」

 「選びがいのある選挙やった」

カテゴリー: 教育こども高知新聞教育

ページトップへ