2019.12.31 08:00

【高知U昇格】サポーターの力の結集を

 ことし高知県のスポーツ界に一つの快挙が生まれた。
 サッカーの高知ユナイテッドSC(高知U)が11月、全国地域チャンピオンズリーグで上位2チームとなり、JFL(日本フットボールリーグ)昇格を決めた。
 JFLは日本アマチュアサッカーのトップリーグで、上位4チームに入った中で、条件を満たす2チームがJリーグに昇格する。
 JFLはJリーグ入りへの最後の関門だ。高知県勢のJFL昇格は初めてであり、県サッカー史に新たな一ページを切り開いた。
 選手たちはもちろん、監督らスタッフ、そして熱いサポーターの声援など、全員が一丸となってつかんだ勝利だ。
 高知Uの健闘をたたえ、夢のJリーグ入りに向けた、来年からの戦いにエールを送りたい。道はまだまだ険しいだろうが、着実に階段を一歩ずつ上ってほしい。
 高知Uは2016年、県内の有力2チームが統合してクラブを結成。17年、18年に四国リーグで優勝するなど、着実に力をつけてきた。「高知からJを」を合言葉に選手はハードなトレーニングに耐え、ステージを駆け上がった。
 世界のサッカーの強豪国がひしめく欧州でも、華やかなトップリーグを支えているのは国内にある地域のクラブだ。分厚い裾野があってこそ、有望な選手も生まれてくる。
 地元のサッカーチームは地域の宝であり、誇りとなっている。子どもからお年寄りまで、サポーターも多彩な顔ぶれが集まる。日本のJリーグも地域密着を掲げる。
 高知Uの理念も「高知の子どもに夢と目標を」「高知愛を形にする場所を」、だそうだ。この精神をJFLでも大切にしてほしい。
 JFLへの昇格は難関への挑戦でもある。
 四国リーグと比べてレベルはずっと高い。どのリーグでも昇格組の目標は、まず残留というのが常識だ。降格の危機にさらされることもあるかもしれない。列島の北から南まで全国に16チームが点在するため、選手の移動や遠征費用の面でもこれまでより負担は増える。
 それを後押しすることこそ、高知県のサポーターの力だろう。ファンの声援やスポンサーの存在が、どれだけチームにとって心強いことか。JFL入りを機に、応援の輪をさらに大きく広げたい。
 手厚いサポートがあれば、高知Uはますます強く魅力的なチームになるだろう。アマチュアにありがちな目の前の試合に勝つだけのサッカーではなく、多彩な攻撃で「観客を魅了するサッカー」が高知Uの特長だという。
 来年はいよいよ東京五輪・パラリンピックの年だ。いまひとつ精彩を欠く県内スポーツ界にあって、高知Uは県民に希望と元気をくれた。高知を代表して初めての舞台で躍動し、スポーツの楽しさを存分に伝えてくれることを願う。

カテゴリー: 社説

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