2016.02.18 11:29

小社会 これは先見の明なのか。それとも庶民の直感のなせる…

 これは先見の明なのか。それとも庶民の直感のなせる業なのだろうか。今川乱魚監修「ユーモア川柳 傑作大事典」をめくっていると、こんな句が目に飛び込んできた。

 〈低金利そのうち利息取られそう〉光永武雄。この本が刊行されたのは2007年12月で、日銀は前年にゼロ金利政策を解除している。〈未練だなルーペで利子を覗(のぞ)いてる〉大河原信昭。この句が物語るようにお金を金融機関に預けると、少ないながらも利子は付いた。

 日銀が16日から導入したのは「マイナス金利」。お金を預けたら逆に目減りしてしまうという国内では初めての政策だ。もっとも対象となるのは民間銀行が日銀に預ける資金の一部で、個人の預金、貯金が減るわけではない。

 それでも家計への影響はあり、ただでさえ低い利子をさらに引き下げる金融機関が相次いでいる。通帳の数字をルーペでのぞいても確認するのが難しい。そんなぼやきを詠んだ句も生まれそうだ。

 既にマイナス金利を導入したスイスなどでは、一定額を超えた預金から利子を取る銀行が現れている。〈取られそう〉どころではないから、裕福な人は預金を複数の銀行に分散させるなどの自衛策を講じているという。

 日本でもそんな日が来るのだろうか。預けたら損だから、たんす預金が一段と増加。空き巣狙いは蠢動(しゅんどう)…。「風が吹けば桶(おけ)屋がもうかる」のマイナス金利版は連想するだけでもおぞましい。    
カテゴリー: 小社会コラム


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