2019.12.25 14:37

高知大医学部チーム「短鎖ペプチド」でアルツハイマーの新薬開発目指す

新薬開発に取り組む秋沢俊史客員教授。右は大学院生の中村里菜さん(南国市岡豊町小蓮の高知大学医学部)
新薬開発に取り組む秋沢俊史客員教授。右は大学院生の中村里菜さん(南国市岡豊町小蓮の高知大学医学部)
 脳の病気によって日常生活に支障が出る認知症。2025年には65歳以上の5人に1人がなるとされるが、根本的な治療薬はまだない。高知大学医学部の秋沢俊史客員教授(66)のチームは、「短鎖ペプチド」と呼ばれる物質を活用する「従来の常識を覆す方法」で、認知症の原因となるアルツハイマー病の新薬開発に取り組んでいるという。研究室を訪ねた。 

 認知症の原因は脳血管障害などさまざまで、アルツハイマー病が約7割を占める。アルツハイマー病はタンパク質のアミロイドベータ(Aβ)が脳内に蓄積して神経細胞を壊すことが原因の一つとされる。

 現在使われている薬は、神経の働きを改善させて不安感やイライラなどの症状を和らげるものの、認知症の進行自体を止めることはできない。国内外の製薬会社が治療薬の開発を進めているが、実用化には至っていない。

 秋沢客員教授らはアミノ酸が4~9個つながった「短鎖ペプチド」という物質にアミロイドベータを分解する働きがあることを発見したとして、今年初めて研究成果を複数の専門誌に発表した。

 これまで、短鎖ペプチドに物質を分解するような性質があるとは考えられておらず、学術集会では他の専門家から「従来の科学の常識から逸脱した新発見」との評価を受けた。秋沢客員教授は「手元にあったペプチドとアミロイドベータを遊び半分で混ぜたら偶然発見できた。最初は信じられなかった」。

 分解のメカニズムを解析した結果、蓄積して固まったアミロイドベータの隙間から小さな短鎖ペプチドが入り込み、内部から結合を切断するとみられるという。秋沢客員教授は、その様子を人気SF映画「スター・ウォーズ」になぞらえ、「戦闘機の『Xウイング』が、敵の要塞(ようさい)の『デス・スター』を内部から破壊するようなイメージ」と説明する。...

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カテゴリー: 医療・健康ニュース社会香長

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