2019.12.22 08:00

小社会 馬場孤蝶展

 歳晩の気ぜわしさを紛らわそうと、高知市の県立文学館に「馬場孤蝶 生誕150年記念展」を見に行った。高知市出身の英文学者でトルストイの「戦争と平和」を初めて完訳したことで知られる。

 同時に明治中期の同人誌「文学界」に参加し、文学の世界に青年らによる新風を吹き込んだ。その当時の仲間の一人に島崎藤村がいる。今回の企画展の目玉は、藤村が孤蝶宛てにしたためた書簡やはがき計9通。

 岐阜県中津川市の藤村記念館から借り受けたもので、同館ではこれまで展示したことがないという。ということは本邦初公開。記念館同士の交流で埋もれた資料に光が当たったのなら、泉下の藤村も本望だろう。

 注目は1916(大正5)年1月にパリから送られてきた絵はがき。当時の藤村は後に小説「新生」で公表する、姪(めい)との男女関係から逃げるように渡仏していた。心配をかけたことをわび、「三四月の頃には」と帰国の意思をつづっている。親友だからこその近況報告だろう。

 長い交際の後、孤蝶評をつづった文面もある。「定法を意に介せず、安住に執着せず、自在に自分の感触を表現しようと試みる者」とある。孤蝶は人に慕われ、藤村以外にも夏目漱石や森鷗外、樋口一葉ら幅広い文人たちと交際した。

 残した随筆は、当時の文学界を知る上で貴重な資料にもなっている。郷土が生んだ文学者を県民はもっと誇っていい。企画展は来年1月19日まで。


12月22日のこよみ。
旧暦の11月26日に当たります。みずのと み 三碧 赤口。
日の出は7時06分、日の入りは17時02分。
月の出は2時38分、月の入りは14時08分、月齢は25.5です。
潮は若潮で、満潮は高知港標準で2時58分、潮位137センチと、14時46分、潮位159センチです。
干潮は8時37分、潮位69センチと、21時34分、潮位28センチです。

12月23日のこよみ。
旧暦の11月27日に当たります。きのえ うま 四緑 先勝。
日の出は7時07分、日の入りは17時03分。
月の出は3時44分、月の入りは14時46分、月齢は26.5です。
潮は中潮で、満潮は高知港標準で4時06分、潮位149センチと、15時32分、潮位164センチです。
干潮は9時39分、潮位73センチと、22時21分、潮位12センチです。

カテゴリー: 小社会コラム


ページトップへ