2019.12.20 08:00

小社会 信義はどこに

 民俗学者の宮本常一は若いころ郵便局に勤めていたこともあり、昔の人の手紙のやりとりに興味を持った。かつても飛脚はあったものの費用がかかる。お金のない庶民はどうしたか。

 東に手紙を届けたい人がいれば、東へ向かう旅人に言付けた。その旅人からまた別の旅人へ。手紙は手渡し手渡しされながら、最後には目的地に届けられたと、宮本は述べている(「炉辺夜話」)。人間同士の信義が、それほどにも厚い時代が確かにあった。

 現代の郵便局は手紙だけでなく保険も取り扱うが、そこには信義のかけらもないようだ。かんぽ生命保険の不正販売は、法令違反などの疑いのある契約が1万3千件近くに膨れ上がった。発表のたびに増えている。しかもこれは直近の5年間分。氷山の一角の疑いがある。

 「被害者」の7割超が60歳以上である。資産を持つ高齢者らを狙って郵便局員が保険の乗り換えを勧め、保険料を二重払いさせたり一時的に無保険にさせたり。契約書を偽造したケースもあった。「反社会的勢力」と見まがう実態である。

 郵便局には全国一律の「ユニバーサルサービス」の維持が求められる。しかし不正販売であらわになった成果優先、利益第一の姿勢では、業績の悪い地方の郵便局は切り捨てられていくだけだろう。

 県内では人手不足で郵便局の集配業務の移管などが進む。全国一律は揺らいでいる。郵政民営化とは一体何だったのか。


12月20日のこよみ。
旧暦の11月24日に当たります。かのと う 一白 仏滅。
日の出は7時05分、日の入りは17時01分。
月の出は0時27分、月の入りは12時59分、月齢は23.5です。
潮は小潮で、干潮は高知港標準で6時08分、潮位50センチと、19時33分、潮位65センチです。
満潮は12時56分、潮位151センチです。

12月21日のこよみ。
旧暦の11月25日に当たります。みずのえ たつ 二黒 大安。
日の出は7時06分、日の入りは17時02分。
月の出は1時32分、月の入りは13時33分、月齢は24.5です。
潮は長潮で、満潮は高知港標準で1時30分、潮位129センチと、13時54分、潮位154センチです。
干潮は7時24分、潮位62センチと、20時40分、潮位47センチです。

カテゴリー: 小社会コラム


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