2019.12.11 08:00

小社会 金字塔

 科学の面白さは、一つの発見や発明が文明に劇的な発展をもたらす場合があることだろう。例えば1800年、イタリアのボルタが発明した電池。人類は機械を自在に扱えるようになった。

 初期のものは湿電池と呼ばれ、電解液がこぼれたり、凍結したりし、寿命も短いなど実用的ではなかったようだ。革命をもたらすのは乾電池と蓄電池が登場してから。

 その乾電池を明治の半ば、世界に先駆け実現したとされるのが日本人の屋井先蔵(やいさきぞう)だ。元は時計職人で、独学で開発にこぎ着けるが、生活苦で特許を出願できず、世界初の金字塔をドイツ人に譲ることになった逸話が残る。

 蓄電池も日本人との関係が深い。スウェーデンで生まれ、改良や普及には日本の企業が貢献してきた。その延長線上にあるのが他ならぬリチウムイオン電池だ。吉野彰さんに日本時間のきょう未明、ノーベル化学賞が贈られた。

 軽くて高出力、長寿命。ITや電気自動車、再生可能エネルギーにも使われ、これからの社会を支える電池だ。授与されたメダルの輝きは本人はもちろん、電池の歴史をつくってきた多くの日本人を照らしていくことになるだろう。

 電池の開発はさらにその先へと向かっている。より小型で蓄電量が多い「全固体電池」の実現だ。吉野さんは記念講演で未来をこう描いている。「技術革新が早晩、持続可能な社会を実現する」。次の金字塔も日本人の手で打ち立てたい。


12月11日のこよみ。
旧暦の11月15日に当たります。みずのえ うま 一白 先勝。
日の出は6時59分、日の入りは16時58分。
月の出は16時22分、月の入りは5時38分、月齢は14.5です。
潮は大潮で、満潮は高知港標準で5時42分、潮位166センチと、17時00分、潮位173センチです。
干潮は11時18分、潮位74センチと、23時41分、潮位0センチです。

12月12日のこよみ。
旧暦の11月16日に当たります。みずのと ひつじ 二黒 友引。
日の出は7時00分、日の入りは16時58分。
月の出は17時07分、月の入りは6時39分、月齢は15.5です。
潮は大潮で、満潮は高知港標準で6時20分、潮位172センチと、17時33分、潮位176センチです。
干潮は11時54分、潮位75センチです。

カテゴリー: 小社会コラム

ページトップへ