2019.12.10 08:00

小社会 人のうわさも…

 時間というものは平和主義者であり、妙薬でもある―。英文学者の外山滋比古さんはかつて、ことわざや格言を駆使した随筆を書いている。もめ事が起きても「時」は「まあまあとじっくりなだめる。ことを荒立てることはしない」。

 昔から〈待てば海路の日和あり〉という。時間との付き合い方を心得ていない者は、〈急(せ)いてはことを仕損ずる〉となる。当時、長期政権を樹立した佐藤栄作首相の代名詞「待ちの政治」を引き合いに〈果報は寝て待て〉。

 悪評が立っても、時間はゆっくりと下火にしてくれる。〈人のうわさも七十五日〉。しかし悲劇を繰り返すまいと心に誓った場合は、物事を風化させる時間の能力に負けてはならない。忘れてしまえば〈歴史は繰り返す〉。

 「桜を見る会」を巡る野党の会期延長要求を振り切り、臨時国会が閉幕した。残ったもやもやは多いが、最も懸念されるのは森友学園問題などに続く公文書の廃棄だろうか。公文書は「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」。それが簡単に捨てられる。

 不祥事にも、真相の解明より再発防止を前に出して幕引きを急ぐ政権の体質も変わらない。政権幹部は沈静化に向け「国会が終われば桜も散る。時間の問題だ」。〈人のうわさも…〉とばかりに世論を見下してはいないか。

 当面は国民、有権者が決して「忘れない」ことだろうか。物事を風化させる時間の能力に抵抗して。


12月10日のこよみ。
旧暦の11月14日に当たります。 かのと み 九紫 赤口。
日の出は6時59分、日の入りは16時58分。
月の出は15時43分、月の入りは4時38分、月齢は13.5です。
潮は大潮で、満潮は高知港標準で5時03分、潮位157センチと、16時29分、潮位168センチです。
干潮は10時41分、潮位73センチと、23時07分、潮位11センチです。

12月11日のこよみ。
旧暦の11月15日に当たります。みずのえ うま 一白 先勝。
日の出は6時59分、日の入りは16時58分。
月の出は16時22分、月の入りは5時38分、月齢は14.5です。
潮は大潮で、満潮は高知港標準で5時42分、潮位166センチと、17時00分、潮位173センチです。
干潮は11時18分、潮位74センチと、23時41分、潮位0センチです。

カテゴリー: 小社会コラム

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