2019.12.06 08:45

高知県警の男性4警官が育休へ 13年ぶり 上司が面談で促す

出勤前に長男の和沙ちゃんを保育園に送る吉門亨健巡査長。第2子誕生後、育休に入る(高知市内)
出勤前に長男の和沙ちゃんを保育園に送る吉門亨健巡査長。第2子誕生後、育休に入る(高知市内)
 働きづめのイメージが強い警察にも働き方改革がじわり浸透してきた。高知県警で来年1月から2月にかけて、20~40代の男性警察官4人が相次いで育児休業制度(最長3年)に入る。高知県警で男性職員の育児休業の取得は13年ぶり。急増の背景には、組織を挙げての意識改革があるようだ。「警察の仕事に定時はない」「休み返上は当然」―。そんなイメージが変わりつつある。
 
 高知南署地域課の吉門亨健(こうけん)巡査長(39)は第2子となる男の子が12月27日に誕生予定。昇進に伴う警察学校での研修が終わり次第、来年2月下旬から約1カ月間の育児休業を取得するという。
 
 2年前に長男が生まれた時には育休を取得しなかった。「制度は知ってたけど、特別な事情のある人が取るものだという先入観があった」という。
 
 3日に1度、24時間勤務の自動車警ら班に所属。親類は近くにおらず、民間で働く妻と交代で長男を保育園に送迎する中での第2子誕生には不安もあったが、10月末の上司との面談で「育休制度を活用したほうがいい」と背中を押された。
 
 「妻からも『育休を取って本当に大丈夫なが?』と。警察は休みづらいというイメージがあったみたい」と笑う。上司から勧められたというと「妻はとても喜んだ」という。
 
 高知南署では吉門巡査長ともう1人、さらに土佐署と県警本部の各1人の計4人が来年1月中旬から2月下旬にかけて順次育休に入る。男性警察官の育休取得は2006年11月以来という。
 
 高知県警は4年前から、出産を控えた女性職員や、配偶者が出産する男性職員に対し、上司が面談を実施。幹部には働き方改革の講演を受けさせ、「育休制度はあっても組織に使う風土がないのが問題」と手厳しい講師の訴えにも耳を傾けてきた。
 
 「こうした外部の声に幹部の意識も変わってきた」と県警警務部は見る。今年の時間外勤務は県警全体で前年比13・2%減った。現場の署員からも「昔は先輩が帰るまで帰りづらかったが今は違う。『重大事案が起きたら帰れない。用事のない者は早く帰れ』になった」との声も聞かれる。
 
 ある署の幹部は「県民の安心安全がおろそかになってはいけないが…」としつつ、現状をこう語った。「仕事と休日のメリハリをつけて、高い意欲で働いてもらう。同時に後進の育成もうまくやる管理職が県警に求められている」(早崎康之)

カテゴリー: 社会子育て主要


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