2019.11.25 08:35

高知・関西の演劇人がタッグ 11/30、12/1に蛸蔵で上演

「高知での演劇、関西の人たちから『いいなあ』って言われます」と笑顔で語る右から、佐々木峻一、久野那美、七井悠、森本聡生(高知新聞社=反田浩昭撮影)
「高知での演劇、関西の人たちから『いいなあ』って言われます」と笑顔で語る右から、佐々木峻一、久野那美、七井悠、森本聡生(高知新聞社=反田浩昭撮影)
港の公園舞台に会話紡ぐ「行き止まりの遁走曲」
 高知と関西の演劇人で結成したユニット「蛸(たこ)の階」による「行き止まりの遁走曲(フーガ)」が30日と12月1日の2日間、高知市南金田の蛸蔵(たこぐら)で上演される。作・演出を手掛けるのは、大阪を拠点に活動し、数々の戯曲賞で評価されている劇作家で演出家の久野(くの)那美。高知市と神戸市で披露され、久野は「この二つの都市だからこその芝居であり、台本です」と語った。

 久野は神戸市生まれ。繊細なせりふづかいに定評があり、関西の劇作家の登竜門といわれるOMS戯曲賞佳作や、利賀演劇人コンクール奨励賞などの受賞歴がある。公演ごとにユニットを結成し、終了後に解散する、演劇ユニット「階」の代表でもある。

 本作の舞台は、行き止まりの町の端っこにある港公園。この町では公園の数が決められており、一つ新しいものができると、一つつぶさなければならない。閉園の日、さまざまな事情を背負った人たちがこの公園で出会う―。

 「蛸の階」発足のきっかけは、昨夏、高知市の舞台制作者・吉田剛治が企画した県内の若手演劇人育成公演で、久野作品を上演したことだった。高知に来て、蛸蔵に魅力を感じた久野がある日、吉田に自らの公演開催の可否について尋ねた。すると、吉田から「高知との交流の要素も入れてもらえないか」と相談され、今回の協働企画につながったという。

演劇ユニット「蛸の階」のけいこ(高知市の蛸蔵)
演劇ユニット「蛸の階」のけいこ(高知市の蛸蔵)
 登場人物は7人。関西からは、久野作品に出演経験のある俳優、七井悠(はるか)(劇団飛び道具=京都市)、佐々木峻一(努力クラブ=京都市)と、オーディションで選ばれた、スチールパン奏者で音楽家でもある高知県観光特使の山村誠一=大阪市=と森本聡生(そうい)(劇団さあもん主宰=大阪市)、高知からは荒木晶成(あきなり)、柴千優(ちひろ)、中城賢太が出演する。

 どの登場人物に視線を注ぐかによって物語は違った表情を見せる。「登場人物の数だけストーリーがある。視点が一つではないところが演劇の面白いところ」と久野。「ストーリーよりも登場人物同士の関係性をつくりたい」と話す久野作品の魅力の一つは、綿密に練られた関係性を基に紡がれる会話や登場人物の言葉にある。 

 七井は「俳優にとっていくらでも世界を広げられる感覚、面白さがある」とその魅力を語り、「ぜひ、せりふを聞きに来てほしい。聞く人の心のひだに引っかかるものがたくさんあると思う」。

 本作では、言葉にできないものが音で表現され、山村らの奏でる音楽も見どころの一つ。久野は「山村さんに『こんなん見たことないわー』って言われました」と笑い、「蛸蔵の雰囲気を壊さないように舞台のセットを組んでもらっています。高知で3回上演します。今日はこの登場人物の目線でという感じで見てもらえたら」と来場を呼び掛けた。

 いい音楽とは何か、虚構と現実―などさまざまなテーマを感じさせる本作は来年2月に神戸市でも上演する。(竹村朋子)

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 11月30日=午後2時、7時から▽12月1日=午後2時から。2500円(当日3千円)。学生1500円(同2千円)。高新プレイガイドなどで販売中。関西出身で高知県在住者と、同県外からの来場者は特別割引価格千円。問い合わせは吉田さん(090・6488・8401)へ。

カテゴリー: 高知中央高知のニュース

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