2019.11.25 08:37

2019高知県知事選 遠のく県民自治

 12年ぶりに新たな県政リーダーを決めた知事選は、県民が「選んだ」というより「選ばされた」印象が強い。

 まず、尾﨑正直知事に選ばされた。

 4選不出馬、後継候補、国政挑戦―。尾﨑氏は8月にこれらをセットで発表すると、政党や政治家との和を重んじてきた従来の政治姿勢を“戦闘モード”に切り替えた。

 元総務官僚の浜田省司氏を後継指名し、自民、公明両党の追認を得る一方、野党勢への打診は後回しにした。選挙戦では、尾﨑路線の継続を訴え、前のめりで相手陣営を批判。県政運営の基盤となってきた与野党相乗り体制は分断された。

 県民は、国政野党からも選ばされた。

 立憲民主、国民民主、共産、社民の各党は、松本顕治氏の応援に党首を含め50人余りの国会議員を投入。知事選なのに「安倍政権にノーを言うための選挙だ」と呼び掛けた。

 松本陣営が掲げた「高知のことは高知で決める」「ここで一緒に暮らそう」とのスローガンは県民の自治や包摂を示すものだった。しかし、県外から日帰りで来援した野党議員が政権批判のついでのようにそれを叫ぶ。興ざめだった。

 「尾﨑か否か」「安倍か否か」―。両陣営はそんな選択を県民に迫ったが、肝心の県政課題で対立軸や独自の視点を十分に示せたとは思えない。特に、浜田氏の訴える力には物足りなさを感じた。...

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