2019.11.21 08:34

ただ今修業中 タレント MIHOさん(26)高知市

「これ電池式ですか?」。見たことのないショルダーホンを手にロケの練習をするMIHOさん(大豊町穴内)
「これ電池式ですか?」。見たことのないショルダーホンを手にロケの練習をするMIHOさん(大豊町穴内)
幅広い表現できる人に
 「このポットのデザインきれいですね、まだ使えます?」

 昭和レトロな雑貨や玩具など数千点が並ぶ高知県長岡郡大豊町穴内の観光名所「お宝屋敷・おおとよ」。MIHO=本名・岩松美穂=さん(26)が、興味津々に館長の男性と雑談している。

 このピンクの衣装、目にしたことがある方もいるのでは。2019年7月から、高知ケーブルテレビで深夜に放送中のバラエティー番組「鑑定さんぽ」で、MCのお笑いコンビ「ツーライス」らと出演している。「お宝屋敷・おおとよ」は以前番組でロケを行い、お世話になった場所だ。
 
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 「昔から人前に出るのも、人と話すのも好きなんです」。小さな顔に笑みを広げる。

好きな言葉
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 高校3年の時、フリーペーパー「高知美少女図鑑」のモデルらが高知市内でイベントを開き、知り合いの先輩がファッションショーに登場した。舞台で輝く姿を見て、「モデルになりたい」と一気に憧れが募った。

 高校卒業後、県内で美容室のモデルなどを経験。アルバイトで資金をため、2015年、東京の芸能事務所に入った。

 そこでは「演技も学んだら」と、NHKの朝ドラなどを見て感想文を書く勉強法を教えられた。15分の芝居について、毎日原稿用紙4枚分ほどを記入。事務所に出すと、理解の足りない所を赤ペンでだめ出しされた。実技レッスンは月1回程度。それ以外は舞台を見るなどし、自己研さんするしかない。「心が折れそうになったことは何度もあります」。事務所出身の俳優が、同じ下積みを経て活躍していることに励まされた。

 そして、若年性アルツハイマーの妻を介護する夫を描いた「八重子のハミング」(2016年)で映画デビュー。喫茶店の店員役で、主演の升毅さんに「ママからです」とケーキを差し出すせりふもある。出演は数分だが、台本は「何百回」と読み込んだ。

 下積みが2年目になる2016年、高知市内のプロダクションに移籍。そのプロダクションが製作に携わった県内ロケ映画「サムライせんせい」では、忍成修吾さん演じる坂本龍馬と話す、よさこいチームの踊り子役で出演している。

 だがその後は「仕事という仕事がなくて」。今年春、知人だったツーライスの大ちゃんが代表を務める高知市内の事務所に移った。路線の変化に少し不安もよぎったが、「高知の人にもっと自分の顔を知ってほしい。『仕事何でもやります!』って」。
 
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 現実は甘くなく、レギュラーは「鑑定さんぽ」のみ。撮影は2カ月に1回ほどだ。

 番組は、県内各地で人と触れ合いながら“お宝”を探すという内容。慣れないロケの仕事は「今までで一番難しい」という。住民らとの会話は、もちろん台本通りには進まない。

 「ツーライスさんは『話に入っていいよ』と言ってくださるのですが、アドリブが難しい。進行もできるようになりたいんですけど」。バラエティー番組などを見て学ぶ日々。「おっちょこちょいな素の部分を出した方が面白い。殻を破って」と、大ちゃんはそっと見守る。

 日中はカフェなどで働く。初めての来店客に「テレビ見たよ」と言われるとうれしい。

 「目標は幅広い表現ができる人。どこを歩いても声を掛けてもらえるようになりたいし、お世話になった方々に恩返しできるくらいになりたいですね」

 写真・飯野浩和
  文・徳澄裕子

カテゴリー: 社会高知中央


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