2019.11.20 08:42

2019高知県知事選 高知県の「現在地」 県政課題ポイント解説(6)

【不登校】特効薬なく模索続く
 高知県の子どもの不登校の増加が止まらない。2018年度の小中学校の不登校(1年間に30日以上欠席)は1059人。千人当たりの人数20・9人は全国で2番目に多い。

 不登校の増加は全国的な傾向で、平成のはじめごろに7万人前後だったのが、2018年度は倍以上の16万人超となっている。

 高知県教育委員会によると「不登校は悪いことではなく選択肢の一つ」という考え方が広がってきたことが背景の一つにある。県内の学校でも、嫌がる子どもを無理に学校に連れ出すといった指導はしていないという。

 不登校の要因は多岐にわたる。友人関係の悩み、学業不振、家庭の養育環境、人との交流が苦手といった個人の特性…。これらが絡み合っているため、本人や保護者もはっきりと理由が分からないことが多い。「不登校に特効薬はない」と言われるゆえんだ。

 高知県教育委員会は「不登校を全国平均まで改善する」ことを目標に掲げ、個々の状況に応じて組織的に支援してきた。臨床心理士や社会福祉士など専門家の配置率は全国トップクラス。スクールカウンセラーは公立学校の全てに配置している。

 一方で、不登校を経験した子を持つ保護者からは「不登校になった後の対応が目立つ。まずは学校が子どもにとって良い環境なのかを見直してほしい」との声が上がる。

 つまりは「明日も行きたくなる学校」をつくること。そのためには、子どもの様子を一番そばで見ている教員が力を付けることが必要だ。

 学校に息苦しさはないか。子どもが発するSOSに気付けているか。兆しをみすみす見逃して学校が不登校にしてしまった例はないか―。全ての教員に高い感度と人間性が求められており、教員自身の余裕やゆとりも重要になっている。

 今、教員は忙しすぎる。事務作業に追われるほか、保護者対応、しつけまで学校に任される現状がある。学力向上に過度なプレッシャーを感じる教員もいる。そこに働き方改革の波が押し寄せている。

 教員が子どもと向き合う時間をつくるには、行政の取り組みだけでなく、学校運営に対する家庭や地域の協力も欠かせない。(報道部・石丸静香)

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