【読もっか いのぐ】揺れに備えろ!起震車体験、講演から考える
今月の「読もっか いのぐ」は、防災いのぐ記者たちの研修を元にした「地震の揺れからどう命を守るか」です。いのぐ記者の一人、高知中学校1年の増田光祥さんと、起震車体験や高知新聞記者の講演、家具の固定策をリポートします。(新田祐也)
【これがリアル震度6以上】
八田大輔記者は、熊本地震が起きた翌日の2016年4月15日午後、熊本県の被災地へ入りました。夕方から被害の大きかった益城町を取材。記事の最終チェックを終え、寝ようとした16日午前1時半ごろ、阿蘇市のホテルで震度6弱の〝本震〟に襲われました。最初のは〝前震〟だったのです。
◆
最初の揺れは小さく5秒ほどかな、ユサユサユサ…と。「また余震か」。そう思っていたら、一気に揺れが強まった。縦、横、斜めにガンガンガンガンッっていう感じ。ベッドの上の体は、2メートルの幅で飛び跳ねた。
「頭を守らないと。どこかに潜り込めないか」。そう考えたけど、震度6以上の揺れが始まっちゃったら本当に何もできない。電気がバチンと消え、眼鏡も飛んだ。
昔は、地震の時は正義の味方みたいに「子どもに覆いかぶさって守る」なんて考えてたけど、無理と分かった。
緊急地震速報はひっきりなしに鳴った。余震は朝まで(気象庁の記録では、熊本県で震度5弱~6強だけでも計6回)続いた。揺れが連続すると、どの揺れを速報しているのか分からない。
そんな中じゃ、頑丈なホテルでも、トイレにだって怖くて入りたくない。余震の揺れで道路が波打っていたのも分かった。とにかく屋根がある建物には入りたくなくて、車で夜を過ごした。
僕は子どものころに、起震車に乗った。その時は「うっそー。本当にこんなに揺れるの?」と思った。でも、熊本を経験した今言えるのは「起震車は結構リアル」。だから起震車に乗って、具体的に、どう自分の身を守るのか考えることは、すごく大事だと思う。
【これで、家具転倒を防げ】
2015年、東京都は、家具転倒防止器具の性能試験を行っています。
高さ1・8メートル、重さ100キログラムの食器棚と高さ1・3メートル、重さ81キログラムのたんす。それに、▼家具の底に敷く「マット式」▼底の前方で、くさびのように敷き込み、かべ側に傾かせる「ストッパー式」▼天井と家具の間に2本の「ポール式」突っ張り棒―を取り付け、阪神淡路大震災を再現した震度6強で揺らしました。
器具のパッケージには「震度7クラスOK」「公的機関で実証試験済み」といった〝売り文句〟があったそうです。
が、試験結果は、売り文句とはやや違いました。全ての器具が転倒、もしくは転倒相当(30センチメートル以上)移動したのです。
ただ、全く効果がないというわけではなく、震度6弱では10~30センチメートルの移動にとどまった器具もありました。
さらに、設置の工夫で6強でも倒れなかった方法がありました。それは複数の器具使用。ポール式とストッパー式を組み合わせ方法で、震度6強でも10センチメートル以下の移動にとどまりました。
都は、転倒防止対策について、次のように結論付けました。
器具は、震度や家具の大きさなどの条件で、期待する効果を発揮できない場合がある。過信することなく、家具の上下に器具を取り付けるなど効果の高い対策が必要。また倒れても被害が最小限になるよう、配置で工夫をしてほしい―と。
【揺れ「なめていた」 土佐町中1年が起震車体験】
土佐郡土佐町の土佐町小中学校では毎年、起震車体験をします。今年は7月中旬、中学1年生と小学4年生の計約50人が、最大震度7を体感しました。
その中学1年生が、「読もっかNIE編集部」に感想文を送ってくれました。
立っていられないほどのすさまじい揺れ。その中で「感じたこと」。その後、考えた「これからすべきこと」。いのぐ記者と同じです。
一部を紹介します。
◆
「起震車体験ではゆれがくると分かっていたけど、普通の生活では地震がいつくるか分からない」(明坂潮音さん)
「僕は震度6ぐらいまでなら、体はぐらぐらしないだろうと思っていました。(それが)立てないぐらいで、すわっていたけどめちゃくちゃ体がゆれて、机がなかったらこけてました。なめすぎていました」(式地優雅さん)
「前までは『ただこわいだけ』だったけど、今日体験して『今までとはちがう恐怖』を感じました」(横山優花さん)
「家には本棚がいっぱいあって、たおれてきたらやばいなと思いました。たんすも固定していないので、固定しておきたいです。今のままだと避難する前に大けがをして逃げられない」(鳥山風花さん)
「自然災害と向き合うため、家族と経験を共有したい」(式地惟織さん)

【これがリアル震度6以上】
八田大輔記者は、熊本地震が起きた翌日の2016年4月15日午後、熊本県の被災地へ入りました。夕方から被害の大きかった益城町を取材。記事の最終チェックを終え、寝ようとした16日午前1時半ごろ、阿蘇市のホテルで震度6弱の〝本震〟に襲われました。最初のは〝前震〟だったのです。
◆
最初の揺れは小さく5秒ほどかな、ユサユサユサ…と。「また余震か」。そう思っていたら、一気に揺れが強まった。縦、横、斜めにガンガンガンガンッっていう感じ。ベッドの上の体は、2メートルの幅で飛び跳ねた。
「頭を守らないと。どこかに潜り込めないか」。そう考えたけど、震度6以上の揺れが始まっちゃったら本当に何もできない。電気がバチンと消え、眼鏡も飛んだ。
昔は、地震の時は正義の味方みたいに「子どもに覆いかぶさって守る」なんて考えてたけど、無理と分かった。
緊急地震速報はひっきりなしに鳴った。余震は朝まで(気象庁の記録では、熊本県で震度5弱~6強だけでも計6回)続いた。揺れが連続すると、どの揺れを速報しているのか分からない。
そんな中じゃ、頑丈なホテルでも、トイレにだって怖くて入りたくない。余震の揺れで道路が波打っていたのも分かった。とにかく屋根がある建物には入りたくなくて、車で夜を過ごした。
僕は子どものころに、起震車に乗った。その時は「うっそー。本当にこんなに揺れるの?」と思った。でも、熊本を経験した今言えるのは「起震車は結構リアル」。だから起震車に乗って、具体的に、どう自分の身を守るのか考えることは、すごく大事だと思う。

【これで、家具転倒を防げ】
2015年、東京都は、家具転倒防止器具の性能試験を行っています。
高さ1・8メートル、重さ100キログラムの食器棚と高さ1・3メートル、重さ81キログラムのたんす。それに、▼家具の底に敷く「マット式」▼底の前方で、くさびのように敷き込み、かべ側に傾かせる「ストッパー式」▼天井と家具の間に2本の「ポール式」突っ張り棒―を取り付け、阪神淡路大震災を再現した震度6強で揺らしました。
器具のパッケージには「震度7クラスOK」「公的機関で実証試験済み」といった〝売り文句〟があったそうです。
が、試験結果は、売り文句とはやや違いました。全ての器具が転倒、もしくは転倒相当(30センチメートル以上)移動したのです。
ただ、全く効果がないというわけではなく、震度6弱では10~30センチメートルの移動にとどまった器具もありました。
さらに、設置の工夫で6強でも倒れなかった方法がありました。それは複数の器具使用。ポール式とストッパー式を組み合わせ方法で、震度6強でも10センチメートル以下の移動にとどまりました。
都は、転倒防止対策について、次のように結論付けました。
器具は、震度や家具の大きさなどの条件で、期待する効果を発揮できない場合がある。過信することなく、家具の上下に器具を取り付けるなど効果の高い対策が必要。また倒れても被害が最小限になるよう、配置で工夫をしてほしい―と。


【揺れ「なめていた」 土佐町中1年が起震車体験】
土佐郡土佐町の土佐町小中学校では毎年、起震車体験をします。今年は7月中旬、中学1年生と小学4年生の計約50人が、最大震度7を体感しました。
その中学1年生が、「読もっかNIE編集部」に感想文を送ってくれました。
立っていられないほどのすさまじい揺れ。その中で「感じたこと」。その後、考えた「これからすべきこと」。いのぐ記者と同じです。
一部を紹介します。
◆
「起震車体験ではゆれがくると分かっていたけど、普通の生活では地震がいつくるか分からない」(明坂潮音さん)
「僕は震度6ぐらいまでなら、体はぐらぐらしないだろうと思っていました。(それが)立てないぐらいで、すわっていたけどめちゃくちゃ体がゆれて、机がなかったらこけてました。なめすぎていました」(式地優雅さん)
「前までは『ただこわいだけ』だったけど、今日体験して『今までとはちがう恐怖』を感じました」(横山優花さん)
「家には本棚がいっぱいあって、たおれてきたらやばいなと思いました。たんすも固定していないので、固定しておきたいです。今のままだと避難する前に大けがをして逃げられない」(鳥山風花さん)
「自然災害と向き合うため、家族と経験を共有したい」(式地惟織さん)
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