2019.10.23 12:00

あの看板のお姉さん、実は… 昼は会社員 夜はコスプレで「任務」 高知市


高知県内で見かけるこちらの看板。お姉さんの素敵な笑顔に見覚えがある方も多いのでは? モデルを務めたのは、看板を出している工務店で社員として働く、高知市在住のあやかさん。普段は事務系の仕事をしながら、新築住宅の見学会などイベント企画も手掛けている。

そんなあやかさんが、会社員の他に持つもうひとつの顔がこちら(写真中央)。

土佐英雄党のみなさん 手にもつトングが輝く武器のよう
土佐英雄党のみなさん 手にもつトングが輝く武器のよう

コスプレ姿で夜のおまちのごみ拾いをするグループ「土佐英雄党」のリーダーとして、仲間たちと週1回、約1時間の「任務」に取り組んでいる。

チームを結成したのは昨年春。東京で、ポイ捨てごみをコスプレ姿で拾う活動をしているクリーンアローさん(@Clean_Arrow)をTwitterで知ったのがきっかけだった。

Twitterで「#リアルライフヒーロー」のタグを検索すると、東京だけでなく、大阪や長野、栃木など各地で「ヒーロー」たちが町の清掃に取り組む姿が見られる。

ヒーローたちは、夜の飲み屋街やイベント会場に現れ、ゴミを拾って颯爽(さっそう)と去っていく。そんな姿に憧れた。「高知のために何かできないかなって考えてた時期だった」というあやかさんは、すぐに団体の代表に連絡を取り、東京へ飛んだ。

「高知からわざわざ来たの? ってちょっとびっくりされましたけど。実際一緒にごみ拾いさせてもらって、私がやりたいのはこれや!って思いました。東京みたいに大勢じゃなくても、ひとりでもいいから始めようって」

ひとりで始めるつもりが、興味をもった知人らが自然とメンバーに加わり、グループを結成。最近では、任務中に通りがかった人や、子どもも含めた家族みんなで参加するメンバーも増えた。

メンバーは会社員のほか、主婦や飲食店経営など「昼の顔」もそれぞれだ。週1回ってけっこう大変じゃないですか、と聞くと「義務とか使命感とか、そんな大げさなものじゃないんですよ」「楽しいからやってるだけなんです」と口を揃えた。


任務はおもに平日の夜、土佐道路の沿道や、高知市中心部の飲み屋街で行われる。アーケードや細い路地に入り、たばこの吸い殻やペットボトル、空き瓶などを次々と拾う。メンバーのひとりは、「高知は、商店街やお店の人が奇麗に掃除してくれてるんです。僕たちの活動はほんのお手伝い。いつも奇麗なのは町の人らのおかげなんです」と話す。

行き交う人からは不思議そうに見つめられたり、時には酔っ払いに絡まれることもあるという。

「なんでゴミ拾いゆうが? ってよく聞かれるんですけど…」とあやかさん。「高知が好きだからとしか、答えようがないんですよね。自分では普通のことやと思ってるんで、なんでって聞かれるのが不思議な感じ」


「この活動を見てから子どもがごみを拾うようになった、という親御さんから最近Twitterでメッセージをもらったんです。好きでやってるだけの活動なんですけど、そういう影響もあるんやなって、すごいうれしくて」

拾い集めたごみを分別しながら、笑顔で話す。高知が好きというシンプルな気持ちで始めた小さな活動が、じわじわとまちの人々にも広がってきている。(木田名奈子)

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