2019.10.19 08:42

宿毛フェリー休止1年 航路再開めど立たず 新規事業者探し続く

宿毛フェリーの船体「ニューあしずり」が係留されていたフェリー乗り場(宿毛市片島)
宿毛フェリーの船体「ニューあしずり」が係留されていたフェリー乗り場(宿毛市片島)
 高知県宿毛市と大分県佐伯市を結んでいた宿毛フェリー(本社=宿毛市片島)が運航を休止して19日で1年がたった。宿毛市は継続的に新規事業者を探しているが、航路再開のめどはまったく立っていない。

 宿毛フェリーは前運航会社の破産を受け、2004年に宿毛-佐伯航路を継承。唯一の船体「ニューあしずり」で1日3往復していたが、燃料高騰を理由に2018年10月19日、突然運休した。その後、複数事業者への燃料代や修理費の未払いが発覚。一時、船体が差し押さえられた。

 今年3月には宿毛フェリー社役員が市に対して正式に運航再開を断念することを通達。7月には船体が長崎県の企業に売却され、片島から姿を消した。

 宿毛市は6月、西日本で一般旅客航路を持つ193事業者に対し、宿毛―佐伯への就航が可能かどうかのアンケートを実施。103社から回答を受け、航路継承に「興味がある」と答えた20社に電話で聞き取りを行った。

 このうち航路拡大に前向きだった事業者1社と8月に面会して協議。しかし相手方が求めた2隻以上の船体の確保など、「双方にとってハードルが高かった」(宿毛市企画課)ことなどから協議は打ち切ったという。

 運送業者を中心に、宿毛フェリーを定期利用していた客の多くは愛媛県八幡浜市経由の航路に移行したとみられる。八幡浜から別府、臼杵への2航路を運航する宇和島運輸(八幡浜市)によると宿毛フェリーの休止以降、高知ナンバーの車が目立つようになったほか、それまで利用していなかった運送業者からの問い合わせも相次ぎ、「高知県からの利用客は間違いなく増えた」という。

 週1回ほど工業製品を運ぶため、フェリーを利用していたという宿毛市内の運送業者は「当然、時間も燃料代などのコストもかさんで大変」と話す。「希望を言えば航路が復活してほしい」としつつも、「赤字路線なのは目に見えている。もうあてにはできない」。取引先と交渉し、運賃の値上げに踏み切ったという。

 2005年度に7万人を超えていた乗客数は近年4万人台まで落ち込んでいたが、宿毛フェリーは高知県に残っていた唯一の県外航路。流通分野での需要は一定あっただけに、宿毛市企画課は「国や県とも連携し、情報収集を続ける」としている。(新妻亮太)

カテゴリー: 政治・経済幡多


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